イトーキ、文部科学省の採択事業によりメタバースを活用した「バーチャルSTEAM教室」を開発し静岡聖光学院にて実装

2023年6月1日 15:45

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

■時間や距離、空間の広さなどの制約を受けず、生徒自ら選択し主体的な学びを実践する次世代の学習環境と教育カリキュラム開発に寄与

 イトーキ<7972>(東証プライム)は6月1日、生徒自らが個性を生かした表現活動を行う「研究発表会」と、海外と接続してオンライン上で交流を行う「国際交流会」をテーマに、メタバース技術を活用して仮想空間の学習環境をデザインし、次世代の教育カリキュラムとして学校法人静岡聖光学院(所在地:静岡県静岡市駿河区小鹿)協力のもと、実証研究を行い、授業として実装した。また、その成果を文部科学省『次世代の学校・教育現場を見据えた先端技術・教育データの利活用推進事業』の成果報告会で発表した。

■バーチャルSTEAM教室の背景と実施内容

 現在、文部科学省が開始した「GIGAスクール構想」のもと、児童・生徒へ1人1台の端末や通信環境の整備が進み、「教材のデジタル化」や「学習ログの蓄積」といった教育環境へのテクノロジー導入が加速している。こういった学習環境の変化が教育カリキュラムや授業スタイルなど、学びのあり方そのものに影響を及ぼし、変容/再定義が求められている。

 今回、イトーキと静岡聖光学院は、さらなる教育の進化に向けて、様々な制約を受けずにデジタル上でのクリエーション力を養う「研究発表会」と、海外の生徒と接続しアバターの身振り手振りを交えたデジタル上でのコミュニケーション力を養う「国際交流会」を、実際の授業にバーチャルSTEAM教室を実装することで実現した。

 同授業にはメタバース技術を活用した。メタバースとはコンピュータの中に構築された3次元空間(=バーチャル空間)を指する。メタバース空間上では、教室をはじめとするスペースが自由に構築でき、生徒自身のアバターを用いることで、まるで現実空間にいるかのように遠隔地にいるメンバーとも同空間でのコミュニケーションが可能になる。

 イトーキは今回の実証研究を通して、生徒が自由に空間内を移動し実際の教室のように複数人が同時多発的に会話できるメタバース空間『バーチャルSTEAM教室』の最適な空間設計を技術開発し、実装した。

■実証実験のカリキュラム開発と効果検証

 今回は静岡聖光学院とともにメタバース技術の授業活用におけるカリキュラム開発にも取り組んだ。「研究発表会」では探求/創造学習を、「国際交流会」では対話/協働学習を、それぞれ教室内で行う場合とメタバース空間内で行う場合のカリキュラム開発、学習効果の検証を行った。「研究発表会」においては、生徒が構築したメタバース空間を昨年10月に開催された文化祭で展示、文化祭後に生徒に対して行ったアンケート調査からは、探求/創造学習における表現方法の改善や、より主体的な学習が実践できたという結果が得られた。また、文化祭で研究発表を体験した保護者に対して行ったアンケートにおいても、「生徒の思いが伝わった」「また体験したい」という多くの回答が得られた。

 「国際交流会」においては、Web会議システムとメタバース技術それぞれを利用して国際交流を行った際の発話時間や会話数などの音声分析を行った。その結果、従来手法(Web会議システム)による遠隔コミュニケーションと比較して、メタバース技術を活用した方が発話時間や会話数が向上していることが分かった。本年1月~3月に実施した交流会後に生徒に対して行ったアンケート調査からは、対話/協働学習において身振り手振りを交えてより自由なコミュニケーションが行えたという回答が得られた。また、メタバースによる交流は自身がアバターとなり会話を行うため対面性の低さから緊張せずに交流ができたという回答も得られた。

 これらの結果から、今回メタバースを活用して導入したデジタルの学習環境、教育カリキュラムが、学習効果の高いものであったと言える。

■成果のまとめと各種報告

 今回の取り組みは文部科学省から国家事業として事業委託を受け実施されており、最終的な成果は文部科学省『次世代の学校・教育現場を見据えた先端技術・教育データの利活用推進事業』の成果報告会で発表を行った。

 イトーキは今後も、デジタル技術を活用したコミュニケーションの研究、先進技術の社会実装を継続して実施し、全国の教育機関や企業への事業展開を目指していくとしている。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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