ユーグレナ、マレーシアで熱帯バイオマス技術研究所を開設

2023年5月3日 08:13

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「熱帯バイオマス研究所」が入居する施設の外観(画像: ユーグレナの発表資料より)

「熱帯バイオマス研究所」が入居する施設の外観(画像: ユーグレナの発表資料より)[写真拡大]

 ユーグレナ(東京都港区)は1日、マレーシアに「熱帯バイオマス技術研究所」を開設した。植物の光合成に適した熱帯気候の地域で、藻類や植物などバイオマス関連の研究を進める。同社はバイオ燃料事業を第2の柱にしたい考えで、2026年には1000億円の売上高を目指している。

【こちらも】ユーグレナ、バイオ燃料の商業化等で収益拡大を図り、2026年以降の売上高1,000億円相当を目指す

 マレーシアは生物多様性が高く、豊富な生物資源を有している。熱帯バイオマス技術研究所では、ユーグレナなどの微細藻類やその他のバイオマスの生産技術開発を行う。海外研究戦略の立案なども行う予定だ。

 世界的に脱炭素化が進んでおり、比例してバイオ燃料に国内外で高い注目が集まっている。世界のバイオ燃料消費量は2030年には6.5兆円規模に成長すると予測される。旺盛な需要を見据えて、同社はバイオ燃料における国内最大級プレイヤーになることを目指している。

 2018年には神奈川県横浜市に日本初のバイオジェット・ディーゼル燃料製造実証プラントを開設した。ミドリムシ油脂や廃食油から、バイオジェット燃料とバイオディーゼル燃料を製造する。

 2025年にはマレーシアで商業プラントを開設する計画だ。実現すれば、日本企業が関わるプロジェクトとしては最大級規模となる。最大1日1万2500バレルが製造できる見込みで、売上高は10億ドル規模の予測。シェア30%を目標に参画する予定。シェア30%を確保できれば、売上高500億円以上のポテンシャルがある。

 現在、マレーシアの商業プラント建設に関してPETRONAS社とEmi社の3社共同で検討を進めている。2023年中に最終的な投資決定を行う予定で、2025年中のプラント完成を目指す。

 なお、PETRONAS社はマレーシアの統合エネルギー企業。50カ国に展開しており、売上高は6.8兆円に及ぶ。Emi社はイタリアが本社のグローバル統合エネルギー企業。売上高は10兆円で、69カ国に事業展開している。(記事:土佐洋甘・記事一覧を見る

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