NYの視点:【今週の注目イベント】各国PMI、米3月雇用統計、ISM製造業・非製造業景況指数、2月JOLT 求人

2023年4月3日 07:45

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記事提供元:フィスコ

*07:45JST NYの視点:【今週の注目イベント】各国PMI、米3月雇用統計、ISM製造業・非製造業景況指数、2月JOLT 求人
今週はユダヤ教の祭日が5日から13日まで、復活祭前のグッドフライデーの祭日で7日が英米金融市場が休場となるため参加者が限定的となる可能性がある。そんな中、各国PMIや米国の3月雇用統計、ISM製造業・非製造業景況指数、2月JOLT 求人など重要指標に注目が集まる。また、豪州準備銀行は金融政策決定会合を予定している。

次回5月連邦公開市場委員会(FOMC)の金融政策決定の鍵を握る最新の雇用統計に特に注目が集まる。中堅銀行2行の破たんは、当局の支援によりいったん沈静化した。しかし、最終的に信用危機につながるかどうかは現時点ではまだ定かではなく、依然注視が必要となっている。クレディ・スイスやUBSは年次総会を開催する予定で注目材料となる。

金融混乱を受けて、連邦準備制度理事会(FRB)はピーク金利を5.25%付近と見ている。高インフレの改善ペースが想定通り進まないことから、一時は5.75%から6%付近まで金利が上昇する可能性も予想されていた。しかし、金融混乱が50BP利上げに相当すると考えられている。FRBの高官は、インフレを鈍化させるためには年内あと1回の利上げを支持する姿勢を見せている。雇用統計が想定通り20万前後の雇用増にとどまれば、あと1回の利上げを正当化する可能性がある。

FRBがインフレ指標として注目の変動の激しい燃料や食品を除いたコアPCE価格指数は前年比+4.6%と、予想外に1月+4.7%から伸びが鈍化し21年10月来で最低の伸びとなった。しかし、FRBの目標である2%にはまだほど遠い。指標発表直後のインタビューでボストン連銀のコリンズ総裁は、最近の指標結果を受けて自分の見通しが変わることはなく、FRBはまだやるべきことがあると、追加利上げを示唆。インフレ制御のため年を通じて金利を高水準で維持する必要があるとした。年内数回の利下げを織り込んでいる市場とは見解が異なる。コリンズ総裁は5月FOMC)までに発表される指標を引き続き監視していく姿勢を示した。

金融危機が深刻化、または景気が大幅に落ち込まない限り、FRBが年内の利下げに転じる可能性は現状で低いと見られ、ドルの下落も限定的と見られる。

■今週の主な注目イベント
●米国
3日:3月S&P製造業PMI、3月ISM製造業景況指数
4日:2月製造業受注2月JOLT求人、2月耐久財受注、メスター・クリーブランド連銀総裁講演
5日:3月ADP雇用統計、2月貿易収支、S&Pサービス業PMI、3月ISM非製造業景況指数
6日:週次新規失業保険申請件数、ブラード・セントルイス連銀総裁が経済・金融政策を巡り討論
7日:3月雇用統計、グッドフライデーで株式・債券市場休場、政府機関は通常通り

●欧州
3日:ユーロ圏、独、仏製造業PMI
4日:ユーロ圏PPI、クレディ・スイスが年次総会を開催
5日:ユーロ圏サービスPMI、独製造業受注、UBSが年次総会を開催、ECBチーフエコノミストが講演
6日:独鉱工業生産

●英
3日:製造業PMI、建設支出、ISM製造業景況指数
4日:英中銀テンレイロMPC委が講演、チーフエコノミスト、ピル氏が講演
5日:英中銀テンレイロMPC委が講演
7日:グッドフライデーで金融市場休場

●中国
3日:財新製造業PMI
6日:財新サービスPMI

●豪州
4日:豪州準備銀金融政策決定会合《CS》

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