太陽系外惑星の動き捉えたタイムラプスビデオ 米ノースウェスタン大学が公開

2023年2月1日 15:38

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ノースウェスタン大学が公開した動画のキャプチャ画像。

ノースウェスタン大学が公開した動画のキャプチャ画像。[写真拡大]

 望遠鏡で星を眺めたことがある人なら誰でも知っていることだが、太陽以外の恒星はどんなに倍率を高くしても、点にしか見えない。望遠鏡で倍率を上げて姿かたちが確認できる星は、太陽系にある惑星かまたは太陽と月だけである。ましてや太陽系外惑星となれば、星像を点としてはおろかそれが放つ光すら直接捉えることはできないと考えるのが当然だろう。

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 米国ノースウェスタン大学は、太陽系外惑星の動きを捉えた常識破りの動画を公開した。動画に捉えられた対象は、地球から地球から133.3光年離れたペガサス座にあるHR8799と呼ばれる星と、それを周回する惑星だ。HR8799は太陽との比較では、質量が1.5倍、明るさは約5倍の約3000万歳という非常に若い恒星だ。

 この恒星を周回する惑星の画像が初めて捉えられたのは、2008年11月のことだった。ノースウェスタン大学の科学者はそれ以降、これまでに捉えた画像を組み合わせて、タイムラプスビデオとして公開したのだ。

 太陽系外惑星は非常にたくさんある。だが宇宙に無数に存在する恒星系は、地球から見てちょうど良い方向で惑星が公転しているという、人類が観測するのに都合の良いものとは限らない。また地球から比較的近い恒星系となれば、さらにそれを捉えられる確率は低くなる。そういった意味で、今回公開された動画は極めて珍しいものだ。

 この動画では4個の惑星の動きを確認できるが、それらの公転周期は最も速いもので約45年、最も遅いもので約500年と見積もられている。この動画を公開した科学者は、得られる学問的知見はほとんどないものの、太陽系外惑星の動きを視覚に訴えることで、これを見た人々が科学の重要性を強く認識できるだろうと主張している。

 正に百聞は一見に如かずで、この動画が我々の科学に対する好奇心をくすぐるのに十分な素材であることに間違いない。

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