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ディスカウント店好調、4兆円市場に 節約志向が追い風
帝国データバンクが「ディスカウント店業界」動向調査。インフレ下で節約志向の高まりを追い風に「ディスカウント店」の存在感が高まり、市場は初の4兆円台に[写真拡大]
物価の高騰が続いている。穀物・エネルギー価格の高騰を背景にした飲食料品の値上げや電気料金の高騰が家計を圧迫し、消費者の節約ムードは高まっている。帝国データバンクのレポート(12月1日)では、食品値上げは今後も続き、2023年の値上げラッシュは22年の水準を超える可能性も示唆されている。食品スーパーなどでは既に販売単価の上昇に伴い売上高の伸び悩み、減少が見られ、消費者の節約ムードの高まりによって物価高での不況の様相も出てきている。一方、こうした節約ムードの高まりを背景に、低価格を武器とするディスカウント店へ消費者の需要がシフトしており、市場は22年度中に4兆円にまで拡大する見込みだ。
12月13日、帝国データバンクが「ディスカウント店業界動向調査」の結果レポートを公表している。これによれば、物価高騰を背景に「『安くなければ買わない』といった節約志向の高まりを追い風に、『安売り』を前面に押し出すディスカウント店の存在感が増している」模様だ。ドン・キホーテや業務スーパー、Big-A など国内ディスカウント店の市場規模は、21年度に3兆7930億円となっており、22年度中に4兆円台に達するのは確実と予想されている。店舗数の推移を見ると、08年度には1175店であったものが21年度には2939店まで増加しており、22年度中に3000店を超えるのは確実で、この15年間に3倍にまで増加したことになる。特に消費税が10%に増税された19年以降、市場拡大が加速しており、ここ4年間で市場は約1兆円の拡大となっている。店舗数では、大型の郊外型店舗が好調なほか、飲食料品の物価高騰を受け、特定の食品分野に特化した都市部の中小型店舗の出店も活発なようだ。
食品スーパーの販売単価DIと売上DIの動向を見ると、販売単価DIは21年央から指数的な上昇が続いているのに対し、売上DIは伸び悩み、落ち込みの動きとなっており、物価高騰による節約ムードの高まりで、消費需要がより低価格のディスカウント店へシフトしていることを示唆している。食品スーパーからも「消費者の節約・低価格志向が続いている」という声も聞かれ、ナショナルブランド(NB)品を低価格販売するディスカウント店への需要が拡大している模様だ。ディスカウント店もNB品の価格引き下げや、さらに安価なPB品を展開するなど需要の取り込みに注力しており、レポートは「22年度以降も引き続き市場成長が期待」されると分析している。(編集担当:久保田雄城)
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※この記事はエコノミックニュースから提供を受けて配信しています。
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