8割が将来のお金に不安か 円安や物価上昇への意識結果から考える老後資金対策

2022年9月25日 08:17

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 金融メディア「MANEMO」を運営するパワープランニングは22日、2022年6~7月にかけて実施した「円安や円高が生活に与える影響と老後資金に関するアンケート」について、調査結果を公表した。対象は全国の男女324人。

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 調査によると、円安を実感していると回答したのは全体の約8割。円安や物価上昇の影響を感じる出費として、食品購入費やガソリン代、水道光熱費などがあげられている。外食や嗜好品など食品全体で考えると、半数近くの回答者が食に関する出費が増えたと感じていることがわかる。

 円安や物価上昇の影響で減らした出費として、外食や食品と回答した人が4割近くだった。次いで洋服代が1割程度。あわせて、減らした出費が特にないと回答した人が全体の3割弱であることにも注目したい。現在の生活水準を保つことで手一杯であることや、すでに家計の工夫をしていることなどから、減らせる出費や不要な出費がない世帯もあるようだ。

 老後の金銭的な不安に関しては、全体の8割以上が不安を覚えているという結果であった。最も多い内容は年金制度に関するもので、次いで経済的な不安、病気やケガの不安についてと続く。何歳まで働けるか不安であるという回答も多く、年金制度に対する不安からか、なるべく長く現役で働きたいと考えている人も少なくないようだ。

 具体的な老後資金対策として着手しているのは、貯金が最も多い結果だった。次いでiDeCoやNISA、保険など金融商品を活用している人も多い。

 老後資金対策として効果が期待できるのは、回答結果にもあるように「iDeCo」や「NISA」ではないだろうか。特にiDeCo(個人型確定拠出年金)に関しては、2022年5月から65歳まで運用可能になり、さらに長期運用ができるようになった。

 受け取り時期も公的年金制度と連動して75歳まで延長できるようになった。さらに、10月からは企業型確定拠出年金とiDeCoの同時加入要件の緩和も予定されており、より利便性が高い制度となる。

 老後資金対策に有効なNISAとして紹介されているのは、一般的につみたてNISA制度を指している。つみたてNISAでは、最長20年間の非課税投資期間が設けられている。年間投資額は40万円と少額に感じるかもしれないが、20年間満額で積立投資をすると、最大非課税投資額は800万円にも及ぶ。

 つみたてNISAでは、「長期・分散・積立」という特に投資初心者が心がけたい安定運用の3原則が含まれている。そのため、これまで投資経験がない人でもはじめやすいだろう。

 iDeCoとつみたてNISAは、それぞれ税制上のメリットも併せ持ちながら長期的により安定した運用ができる商品である。なるべく元本を守りながら運用していきたい老後資金対策としては、初心者でも取り組みやすい制度といえる。

 現金による貯金も万が一の予備資金として必要だが、それ以外で老後資金として何か保有するなら、iDeCoやつみたてNISAなどを活用することをおすすめしたい。(記事:大野 翠・記事一覧を見る

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