統合なったマツキヨココカラの当面の課題は、PB商品比率15%

2022年9月20日 15:47

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 マツキヨココカラ&カンパニー(東証プライム、以下マツキヨココカラ)。昨2021年10月に、旧マツモトキヨシHDとココカラファインの経営統合で誕生。

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 「シェア争いに決着」と評されただけに、そこに至る過程を見守る外野席は興味津々だった。例えばココカラファインはマツモトキヨシHDとの経営統合の準備を進めながら、「スギホールディングスとの経営統合も検討する」と公にして両者を「天秤」にかけたものだった。

 日本に「薬局+日用品」という今のドラッグストアが(米国から)上陸したのは、1970年代。ハックイシダ(ウエルシアHDに吸収合併されたCFSコーポレーションの前身)が横浜に開業したフックファミリーセンター杉田店が、日本のドラッグストアの第1号とされている。

 そして燎原の火の如くドラッグストアが広がっていったのは1990年代。だが競争の激化は、各社の収益力を低下させた。2000年代に入ると業界は、再編・統廃合の嵐の中に巻き込まれる。

 仕掛け人であり牽引役は、マツモトキヨシHDだった。長野県の健康家族や埼玉県のトウブドラッグにはじまり、地方の競合他社をM&Aで傘下に収めていった。ツルハHDやウエルシアHDもこれを追った。結果、ドラッグストアの数は2004年をピークに減少傾向に転じる。

 が、ドラッグストアの存在感自体は高まっていった。いささかデータは古いが経産省の「商業動態統計」は2019年時点でのドラッグストアの総販売額を約6兆8356億円とした。この統計によると商品平均単価がかなり低いにもかかわらず、「百貨店の約6兆2978億円を上回った」ことを示している。

 では「シェア争いに決着」とされる、マツキヨココカラのいまはどんな状況か。

 経営統合直後の2022年3月期は「売上高7299億6900万円、営業利益414億700万円、最終利益345億8800万円」。対して今期は「30.1%増収(9500億円)、28.0%営業増益(530億円)、1.2%最終増益(350億円)、10円増配80円配」計画。

 まずなんといっても注目に値するのは、総店舗数3325であろう。第2位のウエルシアHDの2468店舗を1000店舗上回ったことになる。

 マツキヨココカラでは、「経営戦略は不変」としているが「PB商品の積極化」などにそれは確認できる。統合記念としてコーセーとの共同開発したレシピオ(スキンケア)シリーズを売り出したが、「肌ケア商品を軸に、26年3月期までにPB商品比率を15%まで高める目標」としている。

 経営統合のマツキヨココカラを、株価はどう見ているのか。統合日の寄り付き値は4940円。その日5820円まで買われたが今年2月に3900円まで利食いをこなし、7月に5650円まで買い戻され時価は5000円水準。IFIS目標平均株価は算出者の10人中8人が「強気姿勢」で6030円。まずは素直に評価された感がするが・・・(記事:千葉明・記事一覧を見る

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