百貨店とSCの5月売上、3カ月連続でプラスに 気温上昇で夏物も好調

2022年6月25日 18:04

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 日本百貨店協会と日本ショッピングセンター協会が5月度の売上高を発表し、新型コロナの反動で客数が大きく伸びるとともに、気温上昇により夏物商材も好調だったことが分かった。

【前月は】百貨店とSCの4月売上、2カ月連続のプラスに 大阪は4割増

■百貨店は3カ月連続でプラス

 23日、日本百貨店協会が2022年5月度の全国百貨店売上高概況を発表した。売上高は前年同月比(店舗数調整後)57.8%増の3,882億5,465万7,000円となり、3カ月連続で前年同月比プラスに。

 ゴールデンウイークを中心に21年にあった緊急事態宣言の反動に加え、気温上昇に伴い夏物商材が好調だったことなどが原因。新型コロナ前の2019年との比較では10.5%減で、4月の同13.8%減から3.3ポイント改善している。

■大阪は前年の反動で約3倍

 都市別と都市以外の地区別は全てプラスに。都市の中では前年に感染拡大の影響が大きかった大阪が前年同月比212.0%増と大きく伸びたほか、札幌(前年同月比:68.5%増、以下同じ)、東京(80.6%増)、京都(93.3%増)、神戸(88.3%)で伸び率が高かった。

 反対に仙台(17.7%増)、横浜(12.2%増)で伸び率が低め。都市以外の地区では近畿(49.7%増)の伸び率が大きめ。反対に北海道(7.7%増)、東北(9.9%増)で伸び率が1桁に留まった。

 商品別売上高でも全ての分野でプラスに。特に身の回り品(前年同月比:103.9%増、以下同じ)、食堂・喫茶(134.9%増)で前年の倍以上となったほか、紳士服・洋品(96.3%増)、婦人服・洋品(87.1%増)、美術・宝飾・貴金属(97.5%増)で大きく伸びている。一方で伸び率が低めだった商品では家電(17.8%増)、生鮮食品(1.9%増)がある。

■ショッピングセンターも3カ月連続でプラス

 24日、日本ショッピングセンター協会が2022年5月度のSC販売統計調査報告を発表した。売上高は前年同月比29.9%増の4,782億4,811万円となり、百貨店同様に3カ月連続のプラスに。

 前年の緊急事態宣言の反動により来館客が増加したほか、ゴールデンウイークには帰省客や旅行客が増えた。また衣料品では中国・上海でのロックダウンの影響で在庫不足があったものの、気温の上昇で夏物衣料が好調、飲食店でも客数が増加したという。

■ショッピングセンターも大阪は約4倍に

 売上のうち、テナントは前年同月比36.5%増の3,865億3,020万8,000円、キーテナントが同8.0%増の917億1,790万2,000円となり、全体同様にどちらも3カ月連続のプラスに。

 大都市とその他の地域は全てプラスに。大都市では大阪市が前年同月比303.3%増、神戸市が同105.6%増と大きく増加。また札幌市(前年同月比:66.6%増、以下同じ)、東京都区部(58.5%増)、広島市(50.4%増)で伸び率が大きめだった。

 その他の地域では北海道(64.9%増)、近畿(64.7%増)で大きく伸びている。反対に大都市ではさいたま市(5.9%増)、横浜市(5.9%増)、川崎市(5.6%増)、その他の地域では四国(5.5%増)で伸び率が1桁に留まった。(記事:県田勢・記事一覧を見る

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