豊和工、Jパワー、極東開など/本日の注目個別銘柄

2022年6月7日 15:19

印刷

記事提供元:フィスコ

<8306> 三菱UFJ 749.4 +10.6大幅反発。米長期金利の上昇を受けて銀行株は買い優勢の展開になった。先週末の米雇用統計が上振れたことで、米連邦準備制度理事会(FRB)の金融引き締め強化への思惑が再燃、米10年債利回りは前日に3.04%へと大幅上昇し、終値ベースでは5月9日以来約1カ月ぶりに3%台に乗せてきた。今週は米5月消費者物価指数(CPI)の発表なども控えており、目先は一段の上昇の可能性なども意識されているようだ。

<9613> NTTデータ 1969 -51大幅続落。みずほ証券は投資判断を「買い」から「中立」に、目標株価も2640円から2200円に引き下げた。短期的にNTTとの海外事業統合の効果を得るのは難しいと判断しているもよう。中長期的なトップライン成長率の押し上げには寄与するとみられるが、構造改革が続き利益水準も低いNTTリミテッドが重しとなる一方、既存海外事業の外部流出によって、当面は期待されるリターンを得られないと考えているようだ。

<9513> Jパワー 2205 +170大幅続伸で高値更新。三菱UFJモルガン・スタンレー証券では投資判断を「ニュートラル」から「オーバーウェイト」に格上げ、目標株価も1770円から2880円に引き上げている。電力販売価格上昇による粗利益改善、豪州炭鉱権保有会社における石炭販売価格上昇などを要因に、23年3月期経常利益を会社計画と同水準の 1000億円、前期比37.3%増に上方修正しているもよう。従来予想は770億円であったようだ。

<4385> メルカリ 2027 -133大幅反落。本日からプライム市場に移行となっている。プライム市場への移行が発表された6月1日には急伸したが、その後は伸び悩み、本日も米長期金利上昇に伴う中小型グロース株安のなか、出尽くし感が強まる展開になっている。移行発表前の水準も割り込む形にもなっている。なお、7月28日にはTOPIX組み入れ需要が発生、200億円近い買いインパクトが見込まれている。

<3191> ジョイフル本田 1651 +59大幅続伸で高値更新。発行済み株式数の3.76%に当たる250万株、25億円を上限とする自己株式の取得実施を発表している。取得期間は6月21日から12月20日まで。資本効率を高め、1株当たり利益の増大を図ることを目的としている。当面の需給の下支えとしてポジティブ視される形に。また、株主優待制度の拡充も発表、茨城県特産品カタログギフトなどを選択肢として新設している。

<7226> 極東開 1504 +91大幅続伸。前日に発表した自己株式の取得実施が買い材料視された。発行済み株式数の5.0%に当たる200万株、25億円を取得上限としており、取得期間は7月1日から23年6月30日まで。経営環境の変化に応じた機動的な資本政策の遂行を可能とすることを取得目的としている。自己株式取得後、発行済株式数に対して 5%を超過する自己株式については消却処分とする予定。現時点での自己株式数は7.0%となっている。

<4112> 保土谷化 3795 +150大幅反発。いちよし証券はレーティング「A」を継続で、フェアバリューを9000円から9500円にまで引き上げている。今後はテレビ向けやIT機器向けの伸びにより、有機EL材料の収益拡大が続く見通しと評価している。23年3月期営業利益は、会社計画の43億円を上回る66億円、前期比2.8%増と増益確保を予想している。また、24年3月期、25年3月期には2ケタの利益成長回帰を見込んでいる。

<7605> フジコーポ 1196 -44大幅反落。前日に上半期決算を発表。営業利益は36.3億円で前年同期比28.1%増となり、従来予想の28.4億円を大幅に超過した。通期予想40億円、前期比5.3%増は据え置いているが、進捗率は91%にまで達している。ただ、第1四半期実績が25億円であったことから上半期上振れ着地は想定線とみられる。前日には年初来高値を更新していたこともあり、短期的な出尽くし感による利食い売りが優勢の展開へ。

<2217> モロゾフ 3465 +195大幅高で高値更新。前日に第1四半期決算を発表、営業利益は6.4億円で前年同期単独比4.7%増になっている。上半期計画の4.1億円を大きく超過しているほか、通期予想15.4億円、前期単独比23.5%減に対する進捗率も41.6%に達している。3月以降は売上も緩やかに回復しているほか、生産性の向上による売上原価率の改善、店舗の人員配置の見直しに伴う販売人件費の削減なども進んでいるもよう。

<6203> 豊和工 1023 +89大幅続伸。「骨太の方針」を巡る自民党の会合において、防衛力を5年以内に抜本的に強化するなどとした政府の案が大筋で了承されたなどと伝わっている。政府案では、防衛力を抜本的に強化する期限が「5年以内」と明記されている。防衛関連銘柄の買い手掛かり材料とされており、本日も同社の他、カーリット、新明和、東京計器など関連の中小型株は買い優勢の展開となっている。《ST》

関連記事