【どう見るこの株】チームスピリットは底打ち、22年8月期赤字予想だが中期成長期待

2022年3月29日 08:26

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

チームスピリット<4397>(東マ、新市場区分グロース)は、従業員勤怠管理などの働き方改革プラットフォーム「TeamSpirit」を展開している。22年8月期は先行投資で赤字予想(レンジ予想)としているが、積極的な事業展開で中期成長を期待したい。

チームスピリット<4397>(東マ、新市場区分グロース)は、従業員勤怠管理などの働き方改革プラットフォーム「TeamSpirit」を展開している。22年8月期は先行投資で赤字予想(レンジ予想)としているが、積極的な事業展開で中期成長を期待したい。[写真拡大]

【日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部】

 チームスピリット<4397>(東マ、新市場区分グロース)は、従業員勤怠管理などの働き方改革プラットフォーム「TeamSpirit」を展開している。22年8月期は先行投資で赤字予想(レンジ予想)としているが、積極的な事業展開で中期成長を期待したい。株価は上場来安値を更新する展開だったが、売り一巡して急反発している。底打ちした可能性がありそうだ。出直りを期待したい。

■働き方改革プラットフォーム「TeamSpirit」を展開

 DX時代の働き方改革プラットフォーム「TeamSpirit」をクラウド型で展開している。従業員勤怠・就業管理、工数管理、コミュニケーションツール、電子稟議、経費精算などの業務フロー機能を一つにまとめたサービスで、業務系基幹システム(ERP)のフロントウェアとして、各種データをERPにエクスポートする。

 21年3月には大企業(従業員数1000名以上)向け「TeamSpirit EX」の提供も開始した。さらに22年秋には「TeamSpirit EX」の拡張機能として、タレントアサインメントを最適化するオプション機能「TeamSpirit PSA」の販売開始を予定している。

 月額課金型ライセンス収入が収益柱のビジネスモデルである。21年8月期のARR(Annual Recurring Revenue 21年8月末時点のライセンス契約金額の合計を12倍にして算出)は20年8月期比13.8%増の24億70百万円、ライセンス数は15.8%増の32万1534ライセンス、契約社数は122社増加して1531社、月次解約率(ライセンス数ベース)は0.02ポイント低下して0.65%、リカーリングレベニュー(ライセンス売上高+プレミアサポート売上高)比率は1.0ポイント上昇して89.3%となった。

 成長戦略としてプロダクトの機能や領域強化などにより、26年に向けてGAGR(年平均成長率)20%以上+αのARR成長(最終年度26年に70億円~100億円程度)を目指している。21年~23年はライセンス数拡大施策、24年~26年は「ライセンス数×ARPU(Average Revenue Per User)」拡大施策を推進している。

■22年8月期は先行投資負担で赤字予想だが中期成長期待

 22年8月期連結業績予想(収益認識会計基準適用)は、売上高が33億円~33億50百万円(21年8月期比13.9%増~15.6%増)、営業利益が1億50百万円の赤字~2億円の赤字(21年8月期は1億69百万円の黒字)、経常利益が1億50百万円の赤字~2億円の赤字(同1億74百万円の黒字)、親会社株主帰属当期純利益が1億05百万円の赤字~1億40百万円の赤字(同1億22百万円の黒字)としている。

 売上面は契約ライセンス数の増加で大幅増収見込みである。ARRは20.0%以上増加の30億円以上、ライセンス数は7万以上増加の39万2000ライセンス以上の計画としている。利益面は、ターゲット市場への訴求効果を最大化するためのWebマーケティング投資、プロダクト競争力を大幅に強化するための開発投資、今後の成長戦略を支えるための経営基盤強化投資など、成長に向けた先行投資を積極継続するため赤字予想としている。

 第1四半期は、売上高が前年同期比15.0%増の7億72百万円で、営業利益が94.8%減の3百万円、経常利益が96.2%減の2百万円、親会社株主帰属四半期純利益が15百万円の赤字(前年同期は36百万円の黒字)だった。

 売上面は2桁増収(ライセンスが13.9%増の6億35百万円、プロフェッショナルサービスが20.8%増の1億36百万円)だった。大口の追加受注も寄与してライセンス数、ARRが増加基調だった。ARRは前年比15.2%増の25億99百万円、ライセンス数は前年比16.8%増の33万8587ライセンス、契約社数は1555社、月次解約率は0.62%、リカーリングレベニュー比率は90.7%となった。利益面は開発投資を中心とする先行投資で人件費や業務委託費が増加したため減益だった。

 通期予想は据え置いている。先行投資で赤字予想(レンジ予想)としているが、積極的な事業展開で中期成長を期待したい。

■株価は底打ち

 株価は上場来安値を更新する展開だったが、売り一巡して3月15日の安値356円から急反発している。底打ちした可能性がありそうだ。出直りを期待したい。3月25日の終値は544円、時価総額は約89億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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