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ロシアのSWIFT排除、世界経済への影響は!?
●ロシアをSWIFTから排除
ロシア軍のウクライナ侵攻を受けて、EU(欧州連合)は2日、ロシアの7銀行をSWIFTから排除することを決定した。
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当初、ドイツなどはエネルギーへの影響を懸念し、慎重な姿勢もあったが、欧米は制裁に足並みを揃えた。日本も岸田首相がSWIFT排除参加を表明している。
SWIFT排除は、ロシアへの制裁として効果的である一方、各国での支払い延滞など、金融の円滑化を阻害するという副作用も懸念される。場合によっては、リーマンショックのような金融危機を招く恐れもある。
ロシアのSWIFT除外が、世界経済にどのような影響を及ぼすのだろうか?
●SWIFTとは?排除されるとどうなる?
SWIFTとは、国際銀行間通信協会という団体の名称である。
世界の銀行間の取引や仲介を担っており、200以上の国・地域が参加。世界の半分の高額決済を担っていると言われている。
このSEIFTから排除されると、海外送金や輸出入の決済などができなくなる。
今回が初めてのケースではなく、すでに核開発をめぐって、イランと北朝鮮はSWIFTから排除されている。
●世界経済への影響は?
排除されることにより、ロシアにとっては、いくら原油や天然ガス、穀物を売り上げても、外貨が入ってこなくなる。
ロシアの外貨準備高は世界5位(2020年)で、約半分が米ドルとユーロである。この20年で約17倍積み上げてきた。
当然、ロシアの通貨ルーブルは暴落するため、国内でハイパーインフレが起こる危険性がある。
ただ西側諸国にとっても、資源をロシアに依存していることから、需給がひっ迫し、さらなる資源価格の高騰、インフレが進むことになる。
効果を疑問視する声も一部にはある。
同じく排除されたイランや北朝鮮が劇的に変化したわけではなく、EUへのエネルギー供給に影響があるロシア国内の銀行2行は排除されていない。
可能性は低いが、SWIFTと違う抜け道の決済を確立すれば、制裁が効かない。暗号資産を抜け道に使うことも考えられる。
ロシアのような大国のSWIFT排除は今回が初で、どのような影響が出るかはまだまだ未知数である。コロナを克服し、金融引き締めに向かっている世界経済だが、状況によっては再び緩和へと舵を切る可能性も否定できない。(記事:森泰隆・記事一覧を見る)
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