企業の債務保証で成長を見せつける、イー・ギャランティのビジネスの枠組み

2022年2月8日 17:04

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 「保証人にはなるな」。生きていれば90代半ばになる亡き母親から、顔を合わせる度に執拗に言われた。「あいつは資産とは無縁」と見下げられた?お陰か、今日まで母の遺言?は守り通している。

 だが世の中「保証」を前面に押し出して収益を積み重ねている専門企業(金融会社)も少なくない。例えば伊藤忠系のイー・ギャランティ(東証1部)なども、典型的な存在。「家賃保証」「賃料保証」を手掛ける企業も少なくないが、イー・ギャランティは企業間取引の広範な「債務保証」を手掛けている。

 前3月期は「20.8%増収、13.6%営業増益、8円増配22円配」。そして今期も「18.1%増収(85億円)、20.4%営業増益(37億2000万円)」計画で立ち上がり、前年同期比「11.5%増収、20.1%営業増益」で通過している。ちなみに純益計画は「史上最高更新」。配当も四季報は「26円配も」としている。

 ビジネスモデルは、こんな枠組み。

 I: 保証業務の対象になる取引先(企業)は主に、地銀などからの「請求書発行・入金管理・代金回収」等のアウトソーシングの依頼がベースになっている。現時点で50行余りと契約を結んでいる。

 II: 無論、右から左に引き受けるわけではない。財務諸表によらない定性的な情報に基づいて、培ってきたリスク引き受け力をフル稼働し精査することでヘッジをかける。リスクを引き受ける取引社数は累計約16万社に上る。

 III: 仮にリスクの保証契約をした取引先からの入金が支払い期日よりも遅れた場合は、イー・ギャランティが取引先に代わって(契約時に定めた限度額の範囲内で)販売代金を支払う。

 例えば昨年12月には、2008年にビジネスマッチング(顧客紹介)契約を結んだ四国銀行と「I(eG Collect)」を結んでいる。四国銀行にとっては、法人向けサービスの拡充に繋がる。

 リスク保証契約をした企業(四国銀行の顧客)にとっては、「入金遅延などのリスクを抱えず、安心して掛け売りが出来る」「請求・決済業がアウトソーイングできることで、業務の効率化に繋がる」。契約企業の取引先には「後払いで商品・サービスが購入できる」「従来通り請求書払いが出来る」といったメリットがもたらされる。

 そしてなんと言ってもイー・ギャランティのビジネス展開のポイントは、単独で信用リスクを保有する(債権を抱え込む)のではなく、複数の金融機関にリスクを移転する点(流動化する)にある。二重のリスクヘッジ体制が執られている。

 イー・ギャランティではこう説明する。「流動化により当社の規模にとらわれない多くのリスク受託が可能になる。小さく切り分けてリスク移転をすることで、分散機能が働く。低コストのリスク移転が可能になり、高額なリスクの引き受けが可能になる」。

 直近ではいわゆるフィンテック企業と協業で、契約先企業向けの新サービス「eG前払い(従業員や下請け業者が給与や代金の支払予定日を待たずに当該金を受け取れる)」を開始している。(記事:千葉明・記事一覧を見る

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