百貨店とSCの12月売上、ともにプラス 年末商戦が好調

2022年1月26日 07:37

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 日本百貨店協会と日本ショッピングセンター協会が2021年12月度の売上高を発表し、新型コロナウイルスの影響が落ち着いたことで、衣料品や飲食分野を中心に年末の売上が回復したことが分かった。

【前月は】百貨店とSCの11月売上、ともにプラスに 新型コロナの鎮静化が影響

■3カ月連続でプラス

 25日、日本百貨店協会が2021年12月度の全国百貨店売上高概況を発表した。売上高は前年同月比(店舗数調整後)8.8%増の5,920億5,934万4,000円となり、3カ月連続でプラスとなった。新型コロナウイルスの影響がない前々年比は6.1%減で、10月の同22.0%減、11月の同7.4%減から2カ月連続で改善した。

 商品別では高額商品に加えて、衣料品やアクセサリー、旅行用品などが動いた。季節もののお節料理やクリスマスケーキはネット通販を含めて2桁割合の伸びを示した店舗もあったという。

■大都市部の売上が伸びる

 都市別では全て前年同月比プラスで、特に札幌(前年同月比:14.1%増、以下同じ)、東京(11.1%増)、大阪(14.9%増)、福岡(15.0%増)で2桁割合の増加。都市以外の地区では、8地区中5地区がプラス。関東(3.6%増)、中国(3.0%増)、四国(3.6%増)で伸びが大きめだった。一方、北海道(1.6%減)、東北(4.6%減)、近畿(0.7%減)の3地区でマイナスだった。

 商品別売上高では紳士服・洋品(11.0%増)、婦人服・洋品(13.9%増)、身の回り品(15.7%減)、美術・宝飾・貴金属(18.1%増)、菓子(14.0%増)、食堂・喫茶(30.3%増)で2桁割合の増加。一方、その他衣料品(2.7%減)、その他雑貨(1.8%減)、家電(8.9%減)、生鮮食品(3.2%減)などでマイナスとなっている。

■年間の売上高も回復

 全国百貨店の2021年年間売上高は前年比5.8%増の4兆4,182億9,883万円で、4年ぶりに前年比プラスとなった。ただし新型コロナウイルスの影響がない前々年比では21.5%減となっている。

 都市別は全て前年比プラスで、中でも名古屋(前年比:10.9%増、以下同じ)と福岡(11.0%増)が2桁割合の増加。10都市以外の地区では8地区中6都市がプラスで関東(5.2%増)、中部(5.1%増)の伸びが大きめ。一方で北海道(1.7%減)と東北(1.5%減)がマイナスだった。

 商品別では身の回り品(11.3%増)、美術・宝飾・貴金属(25.7%増)、菓子(9.2%増)などの伸びが大きめ。反対に子供服・洋品(2.7%減)、生鮮食品(2.2%減)などがマイナスだった。

■ショッピングセンターはファッションや飲食が好調

 同日、日本ショッピングセンター協会が12月度のSC販売統計調査報告を発表した。売上高は前年同月比6.0%増の6,064億7,888万1,000円となり、2カ月連続でプラスとなった。

 業種別ではファッション分野で高級品や冬物商品が好調だったほか、新型コロナウイルスの鎮静化に伴う飲食分野、食販分野も回復した。さらに季節もののお節料理や曜日に恵まれたクリスマスケーキの販売が好調だった。

■大都市やその他の地域は全てプラス

 売上のうち、テナントが前年同月比7.35%増の4,792億3,357万7,000円、キーテナントは同1.2%増の1,272億4,530万4,000円。テナントが2カ月連続、キーテナントは3カ月連続でプラスとなった。

 大都市やその他の地域は全て前年同月比プラス。特に大都市では札幌市(前年同月比:19.1%増、以下同じ)、仙台市(15.6%増)、大阪市(16.5%増)、広島市(15.6%増)、福岡市(19.9%増)が、その他の地域では北海道(15.5%増)、中国(9.1%増)で大きく伸びている。(記事:県田勢・記事一覧を見る

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