29日の香港市場概況:ハンセン1.0%安で続落、レジャー関連に売り

2021年11月29日 18:00

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記事提供元:フィスコ


*18:00JST 29日の香港市場概況:ハンセン1.0%安で続落、レジャー関連に売り
週明け29日の香港市場は、主要60銘柄で構成されるハンセン指数が前営業日比228.28ポイント(0.95%)安の23852.24ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が77.81ポイント(0.91%)安の8498.26ポイントとそろって続落した。ハンセン指数は約1年2カ月ぶりの安値水準に落ち込んでいる。売買代金は1445億1000万香港ドルにやや拡大した(26日は1297億9100万香港ドル)。


新型コロナ変異ウイルス「オミクロン」の感染拡大が警戒される流れ。感染例は、アフリカから英国、ドイツ、香港、オーストラリアなどにも拡大し、一部の国では渡航制限が強化された。世界経済回復の足かせになると懸念されている。自律反発狙いの買いなどで指数はプラス圏に浮上する場面がみられたものの、上昇の勢いは続かなかった。(亜州リサーチ編集部)


ハンセン指数の構成銘柄では、飲食ポータルサイトの美団(メイトゥアン:3690/HK)が7.1%安、マカオ・カジノの銀河娯楽集団(ギャラクシー・エンターテインメント:27/HK)が5.4%安、同業の金沙中国(サンズ・チャイナ:1928/HK)が5.3%安と下げが目立った。美団に関しては、7〜9月期決算の赤字転落が嫌気されている。カジノ株については、コロナ感染拡大のほか、マカオのカジノ・ジャンケット(仲介業者)大手、太陽城集団HD(1383/HK)の創業者で、取締役会主席のアルヴィン・チャウ氏が逮捕されたことも売り材料視された(太陽城集団株は取引を一時停止)。


セクター別では、エアラインや代理店など旅行関連が安い。中国国際航空(753/HK)が5.1%、中国南方航空(1055/HK)が3.9%、中国東方航空(670/HK)が3.8%、国泰航空(キャセイ航空:293/HK)が3.6%、携程集団(トリップドットコム・グループ:9961/HK)が3.1%、香港中旅国際投資(チャイナ・トラベル:308/HK)が2.9%ずつ下落した。


香港の消費セクターもさえない。利福国際集団(1212/HK)が4.8%安、莎莎国際HD(ササ・インターナショナル・ホールディングス:178/HK)が3.9%安、CEC国際HD(CECインターナショナル・ホールディングス:759/HK)が3.0%安と値を下げた。


半面、海上輸送やコンテナ生産・リースの海運セクターはしっかり。中遠海運HD(1919/HK)が10.3%高、東方海外(316/HK)が5.8%高、勝獅貨櫃(シンガマス・コンテナ:716/HK)が3.6%高、中遠海運発展(2866/HK)が2.1%高で取引を終えた。


発電や設備の電力セクターも高い。中国電力国際発展(2380/HK)が12.0%、華電国際電力(1071/HK)が3.8%、ハルビン電気(ハルビン・エレクトリック:1133/HK)が13.5%、東方電気(1072/HK)が7.7%ずつ上昇した。


一方、本土市場は小幅ながら3日続落。主要指標の上海総合指数は、前営業日比0.04%安の3562.70ポイントで取引を終了した。旅行関連株が安い。金融株、資源・素材株、不動産株、酒造株なども売られた。半面、発電・電力設備株は高い。海運株、医薬品株、自動車株、半導体株も買われた。

亜州リサーチ(株)《FA》

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