ベラルーシ問題でさらに天然ガスが高騰か!?

2021年11月16日 18:39

印刷

●ベラルーシ大統領が天然ガス供給停止を示唆

 ベラルーシのルカシェンコ大統領は11日、西部国境での移民危機で新たな制裁を検討しているEUに対し、天然ガスの供給を停止することを示唆した。

【こちらも】株価にも影響!?天然ガス上昇リスク

 ベラルーシには、中東からの難民数千人を、意図的にポーランドに送り込んでいるのではないか、という疑惑がある。EUは、これに加担しているとされる個人や企業に対して、資金凍結などの措置を採ると見られている。

 ベラルーシとポーランドの国境付近では、難民数千人が立ち往生し、両国の間で緊張が高まっており、予断を許さない。

 天然ガスの高騰が世界的な問題となっており、特にこれから冬を迎えるEUにとって、パイプラインが寸断されることとなれば、さらなる混乱が予想される。

●ベラルーシと天然ガス

 旧ソ連の一部だったベラルーシは、ロシアと欧州の間に位置する。ソ連崩壊後の1994年からルカシェンコ氏が大統領に就任。以来、強権的な手法で統治する欧州最後の独裁国家とも言われている。

 ロシアからの天然ガスは、ベラルーシ経由でポーランドやドイツに運ばれている。ロシアの許可が無ければ停止は出来ないが、これまでもベラルーシは、ロシアから巧みな交渉術で譲歩を引き出しており、油断はできない。

 地政学的にロシアもEUもベラルーシを無視できず、そのことをベラルーシも熟知しており、ルカシェンコ氏も「我々が欧州を暖めている」と主張していると、ロイタ―通信などで報じられている。

●天然ガス価格への影響

 BBCによれば、亡命中のベラルーシの野党指導者チハノフスカヤ氏は、「ルカシェンコ大統領は虚勢を張っている」と批判するなど、本当に供給を止めることができるかどうかは不透明である。

 だがもし本当に供給を止めるということになれば、さらなる天然ガス価格の高騰は避けられない。

 天然ガス相場は10月に国際市場で過去最高値まで上昇。その後は値を下げてはいるものの、米国での在庫はまだ余裕があるとされるが、欧州の在庫は例年より低い状況のままだ。

 今後の関連ニュースに、先物価格が動きやすい展開となるかもしれない。(記事:森泰隆・記事一覧を見る

関連記事