最低法人税率導入でどう変わる?

2021年10月22日 16:43

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●最低法人税率15%で合意

 8日にOECD(経済協力開発機構)加盟国を中心とした会合が開かれ、法人税の最低税率を15%にすることで、136の国と地域が最終合意に達した。2023年の導入を目指す。

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 同時にGAFAのような巨大IT企業にも、現地に拠点が無くても課税できるデジタル課税も導入される。デジタル経済に合った課税と、法人税の扱いは2012年から議論が始まっていた。

 1980年代から各国が法人税の引き下げを行い、新興国を中心に引き下げ競争が起きていたが、今回の決定は、グローバル化の流れに一石を投じることになるのだろうか?

●今回の合意の中身

 グローバル企業が、法人税率が低く外国企業への優遇措置があるタックスヘイブン(租税回避地)と呼ばれる国に拠点を移し、税金を抑えてきたことには批判が多かった。

 今回、最低税率の対象となるのは、全世界の売上高が年間7億5000万ユーロ(約970億円)を超える企業だ。共通最低課税の導入により、OECDの試算では、年間1500億ドル(約21兆円)の追加税収が期待できると、ロイター通信などが報じている。

●マーケットの受け止め方

 合意が報じられてからの株価は、GAFAも少し下げる場面もあったが、大きな影響は無い。

 今回の最低法人税率の導入によって、税率の低い国に拠点を置くメリットはなくなり、米国や日本のような法人税率の高い国は、国内企業の海外移転に歯止めがかかるという期待もある。

 米国・バイデン大統領は最低15%の法人税率を提案しており、それをインフラ投資計画の財源にしようという案もある。

 最低法人税率は、かねて適正な税金を支払っていないという批判が強かったGAFAへの包囲網という見方が強い。

 反トラスト法の改正など、今後もGAFAへの風当たりは強くなることが予想される。

 昨年からのコロナ禍の中、過去最高の利益を上げてきたGAFAだが、最低法人税率導入やデジタル課税などは減収につながる恐れもある。

 テーパリングの議論も高まっており、GAFA時代の株式市場に大きな変化をもたらすことになるかもしれない。(記事:森泰隆・記事一覧を見る

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