アステナホールディングスは21年11月期3Q累計大幅営業・経常増益、通期上振れの可能性

2021年10月14日 08:55

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

(決算速報)  アステナホールディングス<8095>(東1)(旧イワキが21年6月1日付で持株会社に移行して社名変更)は、10月13日の取引時間終了後に21年11月期第3四半期累計の連結業績を発表した。新規受注や需要回復などで大幅営業・経常増益だった。通期予想を据え置いたが上振れの可能性が高いだろう。株価は戻り一服の形だが、好業績を評価して出直りを期待したい。

■21年11月期3Q累計大幅営業・経常増益、通期上振れの可能性

 21年11月期第3四半期累計の連結業績は、売上高が前年同期比13.0%増の537億27百万円となり、営業利益が39.0%増の19億54百万円、経常利益が43.7%増の20億41百万円だった。新規受注や需要回復などで大幅営業・経常増益だった。親会社株主帰属四半期純利益は26.7%減の11億30百万円だった。前期計上の負ののれん発生益6億20百万円が剥落した。

 ファインケミカル事業は売上高が10.5%増の169億50百万円で営業利益が19.4%増の10億15百万円だった。医薬品原料分野では風邪薬関連等のOTC用原薬や国内ジェネリック用原料が低調だったが、ジェネリック新規品採用などでカバーした。CDMO分野の安定的稼働も寄与して大幅増収増益だった。

 医薬事業は売上高が30.7%増の96億91百万円で営業利益が49.6%増の11億09百万円だった。医療用医薬品分野で主力の副腎皮質ホルモン剤をはじめとする外皮用剤、男性型脱毛治療薬、アトピー性皮膚炎治療薬などが好調に推移し、岩城製薬佐倉工場における新規受託や増産要請対応も寄与して大幅増収増益だった。

 HBC・食品事業は売上高が7.0%増の208億49百万円だが、営業利益が4億42百万円の赤字(前年同期は4億01百万円の赤字)だった。食品原料および機能性食品原料分野は堅調だったが、一般医薬品を主体とする卸売、化粧品原料分野、通販化粧品分野が低調だった。化学品事業は売上高が17.1%増の62億35百万円で営業利益が45.7%増の3億10百万円だった。表面処理薬品分野の需要が半導体・電子部品向けに拡大した。

 四半期別に見ると、第1四半期は売上高169億75百万円で営業利益6億63百万円、第2四半期は売上高192億74百万円で営業利益8億32百万円、第3四半期は売上高174億78百万円で営業利益4億59百万円だった。

 通期連結業績予想は据え置いて、売上高が20年11月期比11.7%増の730億円、営業利益が27.8%増の26億円、経常利益が37.2%増の27億円、親会社株主帰属当期純利益が0.8%増の20億円としている。配当予想は2円増配の18円(第2四半期末9円、期末9円)である。

 前期に実施したM&Aの効果、化学品事業における需要回復、さらに経費削減効果などで増収増益予想としている。第3四半期累計の進捗率は売上高が73.6%、営業利益が75.2%と順調だった。通期予想は上振れの可能性が高いだろう。収益拡大基調を期待したい。

■株価は出直り期待

 株価は戻り一服の形だが、好業績を評価して出直りを期待したい。10月13日の終値は583円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS60円65銭で算出)は約10倍、時価総額は約237億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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