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日経平均上昇のチャンス? 解散総選挙時における株高アノマリーとは
2021年の年初より、世界の株式市場に出遅れている日本の株式市場であるが、その理由は多く挙げられる。デフレ脱却に向けた金融緩和が失敗に終わり、消費税増税より景気はすでに頭打ちとなっている。また物価指数が上がらないままコロナを迎えてしまった日銀には、もはや緩和余地が無く、テーパリングをせざるを得ない状況となっていることなどだ。
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7月下旬には、心理的抵抗が強いとされる200日移動平均線をすでに下回っており、8月に入ってからは、次の大きな節目である27,000円を割り込むところまで下落した。現在は27,700円ほどにまで回復してはいるものの、デルタ株が猛威を振るう状況下で、日本経済への楽観的な見通しは立てづらいというのが正直なところであろう。
そして、感染者の増加に反比例して下がり続ける内閣支持率が、菅内閣にとって過去最低かつ危険水準と言われる30%付近にまで落ち込んでいるという政局の混迷も、株式市場の足を引っ張り続けている要因の1つであろう。
さて、パラリンピック閉会を迎えた後、当初のシナリオ通りに解散総選挙の一手を打つか、それとも下がり続ける内閣支持率に歯止めをかけるべく、9月末の自民党総裁選挙を終えて、新しい内閣の顔ぶれで解散総選挙へとつなげるかは未だにはっきりしないが、解散総選挙にまつわる非常に信頼度の高いアノマリーを紹介しておきたい。
それは、過去において「解散から総選挙までの日経平均株価の騰落率は、ほぼ100%上昇する」というものである。このアノマリーの理由は明確になっていないが、各党が経済対策を大きく打ち出すことへの期待感や、選挙銘柄と言われる政策や議員に関連する株価に買いが集まるからという説が一番腑に落ちる。
たとえば、現在の野党である立憲民主党や共産党などは「大きな政府」掲げているが、「大きな政府」とは、政府が経済活動に積極的に介入し、社会資本の整備や国民生活の安定、所得格差の是正を図るものだ。「給付金の再支給」なども視野に入ることだろう。
もちろん、給付金の再支給を含め、福祉の充実、失業者の救済、地方経済の救済なども目指されることから、財政支出が増加し、将来的には増税につながることになるが、「今現在」を考えれば、一時的なカンフル剤として経済を潤す要因になるかもしれない。
「大きな政府」という考え方は、アメリカにおける現バイデン政権の元、大規模な財政出動がインフラ投資へとつなげられる状況と同じだ。金融緩和縮小を控えてもダウ平均株価が堅調なのは、これらの理由が大きいと言えるだろう。
このように、各党が打ち出す様々な政策によって、どの政党が勝利するかは判然としないままであっても、様々な選挙銘柄に買いが入るというのが実情である。2021年の「解散から総選挙までの日経平均株価」はどのように推移するだろうか。十分に注視されたい。(記事:小林弘卓・記事一覧を見る)
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