アルコニックスは22年3月期1Q大幅増益で通期予想上方修正、さらに再上振れの可能性

2021年8月10日 08:40

印刷

記事提供元:日本インタビュ新聞社

(決算速報)  アルコニックス<3036>(東1)は非鉄金属、電子材料、金属加工部品などを取り扱う商社で、商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」を目指している。8月6日の取引時間中に22年3月期第1四半期連結業績を発表した。需要が回復基調となって大幅増益だった。そして第2四半期累計および通期の連結業績予想を上方修正した。不透明感を考慮して下期を保守的に想定しているが、再上振れの可能性が高いだろう。収益拡大を期待したい。株価は上方修正を好感して急反発した。戻りを試す展開を期待したい。

■22年3月期1Q大幅増益、通期予想を上方修正、さらに再上振れの可能性

 22年3月期第1四半期連結業績は売上高が369億44百万円、営業利益が30億46百万円、経常利益が34億87百万円、親会社株主帰属四半期純利益が24億35百万円だった。

 収益認識に関する企業会計基準第29号適用のため前年同期比増減率は非記載(利益に影響なし)だが、新基準への組み替え後の21年3月期第1四半期実績との比較で売上高は65.4%増収、営業利益は2.6倍増益、経常利益は2.8倍増益、親会社株主帰属四半期純利益は4.4倍増益だった。

 半導体・IT関連が好調に推移し、自動車関連の需要も急回復した。セグメント別利益(経常利益ベース)は、商社流通が4.2倍増益(電子機能材が4.3倍増益、アルミ銅が4.1倍増益)、製造が92.3%増益(装置材料が黒字転換、金属加工が43.6%増益)だった。

 第1四半期の好調を受けて、第2四半期累計および通期の連結業績予想を上方修正した。修正後は、第2四半期累計の売上高が680億円、営業利益が50億円、経常利益が54億円、親会社株主帰属四半期純利益が37億円、通期の売上高が1280億円、営業利益が85億円、経常利益が88億円、親会社株主帰属当期純利益が60億円としている。

 収益認識に関する企業会計基準第29号適用のため前期比増減率非記載(利益に影響なし)だが、通期ベースで新基準への組み替え後の21年3月期実績との比較で売上高は21.1%増収、営業利益は51.2%増益、経常利益は53.9%増益、親会社株主帰属当期純利益は2.1倍増益となる。配当予想は据え置いて21年3月期と同額の42円(第2四半期末21円、期末21円)としている。

 なお修正後の通期のセグメント別利益(経常利益)の計画は、商社流通が2.3倍増益(電子機能材が64.8%増益、アルミ銅が4.3倍増益)、製造が5.9%増益(装置材料が3.0倍増益、金属加工が14.5%減益)としている。

 修正後の通期予想に対する第1四半期の進捗率は売上高が28.9%、営業利益が35.8%、経常利益が39.6%、当期純利益が40.6%と高水準である。新型コロナ感染再拡大や半導体供給不足の影響など、不透明感を考慮して下期を保守的に想定しているが、再上振れの可能性が高いだろう。収益拡大を期待したい。

■株価は戻り試す

 株価は上方修正を好感して急反発した。戻りを試す展開を期待したい。8月6日の終値は1565円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS239円66銭で算出)は約7倍、時価総額は約406億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

【関連記事・情報】
【特集】「トリプル・ブルー」となった割安株、個人投資家の参戦余地は?(2021/02/01)
【編集長の視点】京阪神ビルは高値期日一巡を先取り業績上方修正・増配を買い直して反発(2021/03/16)
【小倉正男の経済コラム】米国はコロナ禍で起業ラッシュ、日本は?(2021/02/08)
朝日ラバーは調整一巡、22年3月期収益回復期待(2021/03/30)

※この記事は日本インタビュ新聞社=Media-IRより提供を受けて配信しています。

関連記事