コロナ関連の破たん1717件に 酒類提供停止の拡がりで加速懸念 東京商工リサーチ

2021年7月17日 16:09

印刷

 東京商工リサーチは16日、コロナ禍の影響で経営破たんした国内事業者数が1週間で35件増え、累計で1,717件(負債1,000万円以上)に達したと発表。7月は16日時点で87件が判明し、過去最多だった6月の155件と同ペースで推移。東京都を中心に首都圏で感染拡大ペースが上がる中、東京に続き神奈川も酒類提供の停止を決定。オリンピックを前に飲食店の経営環境はさらに厳しくなる。

【こちらも】ワクチン接種、11月中に集団免疫獲得 正常化で個人消費は12兆円増 日本総研

 東京都は16日、都内で新たに確認されたコロナ感染者数が1,271人と、前週の同じ曜日から449人増えたことを発表した。前週の同じ曜日を上回ったのは、27日連続。16日までの1週間における1日当り平均は946人で、前週の686人や、前々週の537人と比べ、ペースを上げながら拡大している。東京都は12日より4度目の緊急事態宣言期間となったが、渋谷や新宿などの繁華街では前週より夜の人出が増えたことを示すデータもあり、さらなる増加が危惧される。

 神奈川、埼玉、千葉の3県は16日、まん延防止等重点措置(以下、まん防)の対象区域を拡大すると発表した。このうち神奈川県は、対象区域の飲食店に対し、酒類提供の停止を求める方針。通常であれば書き入れ時となる7月22日から8月22日までが対象期間。東京都と同様に、時間帯や来店客の人数などを問わず一律での提供停止を求める。

 新型コロナウイルスの世界における累計感染者数は、米ジョンズ・ホプキンス大学の集計によれば日本時間17日午後0時時点で1億8,944万人超、死者数は407万人超。国別の最多は米国の3,405万人超、次いでインドが3,102万人、ブラジルが1,930万人。以下、フランス590万人、ロシア583万人、トルコ550万人、イギリス535万人と続く。首都圏で拡大ペースが加速している日本は、83万人を超えた。

 かかる状況下、東京商工リサーチは新型コロナウイルスに関連する経営破たん事業者数が16日時点で、1,717件(負債1,000万円以上)に達したと発表。破たん企業が雇用していた従業員数の累計は、判明している数だけで1万8,993人(前週比172人増)に達した。

 昨年3月より続くコロナ禍で、移動制限をはじめ生活様式が変わり、飲食、旅行、宿泊、小売、建設等業界で破たんが相次いだ。その後、小売業では一部で回復が見られるものの、緊急事態宣言やまん防の発令・適用により、飲食関連の経営環境は厳しい状況が続く。また多くの競技会場で無観客開催が決まったオリンピックに関し、特需を期待していた旅行業や宿泊業も業績予想の下方修正が避けられない。

 飲食店の破たん件数は306件。飲食料品卸売業の80件や食品製造業の54件と合計すると440件に達し、飲食関連だけですでに全体の約1/4を占める。東京都に続き神奈川県が酒類提供の禁止を決めたことで、飲食関連の破たんの増加が懸念される。(記事:dailyst・記事一覧を見る

関連キーワード

関連記事