22日の米国市場ダイジェスト:NYダウ68ドル高、パウエルFRB議長がハト派姿勢を再表明

2021年6月23日 07:44

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記事提供元:フィスコ


*07:44JST 22日の米国市場ダイジェスト:NYダウ68ドル高、パウエルFRB議長がハト派姿勢を再表明
■NY株式:NYダウ68ドル高、パウエルFRB議長がハト派姿勢を再表明

米国株式市場は続伸。ダウ平均は68.61ドル高の33945.58ドル、ナスダックは111.79ポイント高の14253.27で取引を終了した。連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長が下院特別小委員会証言で、タカ派色を強めるとの警戒感に寄り付き後、下落した。質疑応答において、議長が労働市場の回復は程遠く、実際のインフレが上昇するまで、先制的な利上げを回避する慎重な姿勢を繰り返したため上昇に転じた。緩和策の長期化期待を受けた買いが再燃し、引けにかけ堅調に推移。長期金利の低下で、ハイテク株も買われ、ナスダック総合指数は終値で史上最高値を更新した。セクター別では、小売り、耐久消費財・アパレルが買われた一方で、公益事業が売られた。

バイオのモデルナ(MRNA)は欧州連合(EU)が追加で1.5億回分の同社製新型コロナワクチンを購入したとの報道が好感され、上昇。在宅フィットネス事業を展開するペロトン・インタラクティブ(PTON)は法人向けウェルネス事業に参入、会社員向けの割引プログラムを開始すると発表し、上昇した。ゲーム販売のゲームストップ(GME)は追加株式売却で11.3億ドルの資本を調達し業績拡大を目指すと発表し、上昇。また、美容品販売のサリー・ビューティ・ホールディングス(SBH)や半導体メーカーのエヌビディア(NVDA)はアナリストの投資判断引き上げでそれぞれ上昇した。一方、航空会社のアメリカン(AAL)はパイロットや客室乗務員など運航に必要な人員不足が響き、7月の減便を発表したことが引き続き重しとなり、軟調。同業のユナイテッドも下落した。

欧州委員会はITグーグルが、オンライン広告事業を巡りEU競争法(独占禁止法)に違反した疑いがあるとして、正式に調査を始めると発表。同社を傘下に置くアルファベットの株価は朝方下落も底堅く、上昇して引けた。

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■NY為替:早期金融引き締め懸念後退でドルは伸び悩む

22日のニューヨーク外為市場でドル・円は、110円50銭から110円79銭まで上昇して110円68銭で引けた。予想を上回った経済指標やパウエルFRB議長が下院での証言で幾分タカ派に転じる可能性を警戒しドル買いが優勢となった。その後、議長が証言での質疑応答で、引き続きインフレの上昇が一時的で失業率が高すぎるため、先制した利上げを行わない慎重な姿勢を再確認し、早期の金融引き締め観測は後退、米長期金利の低下でドル売りが再燃した。

ユーロ・ドルは1.1881ドルまで下落後、1.1953ドルまで上昇して、1.1940ドルで引けた。ユーロ・円は131円40銭から132円20銭まで上昇。ポンド・ドルは1.3880ドルまで弱含んだのち、1.3964ドルまで上昇した。ドル・スイスは0.9208フランから0.9173フランまで下落した。


■NY原油:弱含みで72.85ドル、利食い売りが増える

NY原油先物8月限は弱含み(NYMEX原油8月限終値:72.85 ↓0.27)。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物8月限は、前営業日比-0.27ドルの72.85ドルで通常取引終了。時間外取引を含めた取引レンジは72.47ドル-73.47ドル。ニューヨーク市場の序盤にかけて72.47ドルまで下げた後、73.47ドルまで戻したが、利益確定を狙った売りが入ったことで72.54ドルまで下げる場面があった。


■主要米国企業の終値

銘柄名⇒終値⇒前日比(騰落率)

バンクオブアメリカ(BAC) 39.97ドル +0.22ドル(+0.55%)
モルガン・スタンレー(MS) 85.70ドル -0.24ドル(-0.28%)
ゴールドマン・サックス(GS)357.53ドル -0.01ドル(0.00%)
インテル(INTC) 55.87ドル 0.00ドル(0.00%)
アップル(AAPL) 133.98ドル +1.68ドル(+1.27%)
アルファベット(GOOG) 2539.99ドル +10.89ドル(+0.43%)
フェイスブック(FB) 339.03ドル +6.74ドル(+2.03%)
キャタピラー(CAT) 213.13ドル -0.08ドル(-0.04%)
アルコア(AA) 33.91ドル +0.82ドル(+2.48%)
ウォルマート(WMT) 137.03ドル +0.63ドル(+0.46%)《ST》

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