オリオン座のベテルギウスが減光した原因が判明 ミシガン大学の研究

2021年6月23日 08:37

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ベテルギウスの明るさの時系列的な変化(2019年後半から2020年初頭にかけての変化)(画像: ヨーロッパ南天文台/ ESO)
クレジット:ESO / M。Montargèsetal

ベテルギウスの明るさの時系列的な変化(2019年後半から2020年初頭にかけての変化)(画像: ヨーロッパ南天文台/ ESO) クレジット:ESO / M。Montargèsetal[写真拡大]

 オリオン座のベテルギウスは、赤色巨星の代表格として有名な存在である。2019年から2020年にかけて、この星が大きく減光したため、超新星爆発が起きるのではないかと大きな話題となったことがある。結局超新星爆発は起きることなく、一時的な減光に過ぎないことが判明したのだが、その原因については、はっきりしないままであった。

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 ベテルギウスが超新星爆発を起こしていれば、マイナス10等星以上の明るさになると予想され、その明るさは半月にも匹敵し、昼間でも十分に肉眼で見えるほどになったことだろう。我々は世紀の大天文ショーに遭遇するチャンスを逸してしまったことになるのだが、もしかしたら確率的には低いものの、超新星爆発に伴うガンマー線バーストが地球を直撃すれば、大混乱に陥っていたかもしれない。

 ミシガン大学の研究グループは、このベテルギウスが大きく減光した原因を解明したと発表。研究成果は、国際的な科学論文サイトnatureで公開されている。

 ベテルギウスは変光星であり、通常は0.1等星から1等星の間で明るさが変化するが、2020年2月7日から13日にかけて、1.6等星にまで暗くなる現象が発生した。このような減光はかつてない事象であり、天文学会は大騒ぎとなった。ミシガン大学の研究者は、ヨーロッパ南天天文台にある8.2m超大型望遠鏡がとらえたベテルギウスの映像を詳細に解析。結果、ベテルギウスの南半球が、通常の明るさの10分の1程度に減光していたことが判明した。

 これはベテルギウスの南半球近くで、大きな気泡の塊が放出されたことが原因であり、超新星爆発の前兆ではないことが分かった。もしも今回の減光が超新星爆発が起きる予兆であったとするならば、ベテルギウスは収縮に向かうはずであるが、今回はそのような兆候は観測されなかったのである。

 あくまでも予測ではあるが、ベテルギウスが超新星爆発を起こすのは約10万年後になると考えられており、我々が生きている間には残念ながら大天文ショーは拝めそうにない。(記事:cedar3・記事一覧を見る

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