ダイコー通産は続落も下値は期末の連続増配の権利取りから入りリバウンド期待

2021年5月12日 14:59

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

 ダイコー通産<7673>(東1)は、前日11日に48円安の1747円と続落して引けた。日経平均株価が、909円安と4営業日ぶりに急反落したことから、4月8日につけた年初来高値1854円近辺で高値固めを続けていた同社株にも目先の利益を確定する売り物が増勢となった。ただ同社は、今2021年5月期の配当を、年間45円へ連続増配する予定であり、期末接近とともに下値は、配当権利取りの買い物を入れる好機となりそうだ。連続増配とともに今年4月7日に発表した今5月期業績の上方修正、連続の過去最高純利益更新も、リバウンド期待を高めよう。

■「GIGAスクール構想」案件と防災行政無線案件の受注が拡大

 同社の配当政策は、配当性向を35%をメドに安定的・継続的に実施することを基本としており、今期配当は、期初予想の37円を45円(前期実績35円)に増配し、配当性向は34.9%と基本政策を充足させる。同社の株主還元策は定評のあるところで、2019年3月の東証第2部への新規株式公開以来、同年11月30日を基準日に株式分割(1株を2株に分割)を実施し、さらに昨年5月18日に東証第1部に指定替えされたことから記念配当も含めて年間31.5円(株式分割換算後)に増配され、さらに今期の連続増配の増配幅を拡大させる。

 この増配幅の拡大は、業績の好調推移が要因となっている。今2021年5月期業績は、今年4月7日に期初予想が上方修正され、売り上げが13億8000万円、営業利益が2億2400万円、経常利益が2億3200万円、純利益が1億1600万円それぞれ引き上げられ、売り上げ178億8000万円(前期比15.0%増)、営業利益10億3100万円(同35.1%増)、経常利益10億6900万円(同41.4%増)、純利益6億8700万円(同21.6%増)と連続増収増益率を伸ばす見込みで、純利益は、連続して過去最高を更新する。児童生徒1人に1台の情報端末と高速大容量の通信ネットワーク環境を一体的に整備する「GIGAスクール構想」案件や、防災行政無線案件を含む屋内通信設備工事案件を多数受注し、LANケーブルなどが好調に推移したことなどが要因となる。来2022年5月期業績は、5G案件が本格寄与し光ケーブルや基地局向けの電源ケーブルなどが業績を押し上げることになる。

■配当利回り2.5%、PER13倍の修正でまず分割権利落ち後高値奪回

 株価は、2016円で株式分割の権利を落とし落ち後安値980円から同高値1950円までほぼ倍化したあと、コロナ・ショック安で735円まで調整し、東証1部指定替えで1668円と買われ、25日移動平均線に下値をサポートされて高値水準を維持し、今期業績の上方修正で年初来高値1854円をつけ高値もみ合いを続けている。年間配当利回りが、2.57%に回る期末配当権利取りによるインカムゲインとともに、PER13倍台の割安修正によるキャピタルゲインも期待できるところで、年初来高値抜けからまず分割権利落ち後高値1950円を奪回し、権利落ち埋めを目指そう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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※この記事は日本インタビュ新聞社=Media-IRより提供を受けて配信しています。

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