改善された現在の車・ドアハンドル

2021年3月22日 17:02

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Photo:日本の要望を受け入れて埋め込み式ドアハンドルになったボルボ ©sawahajime

Photo:日本の要望を受け入れて埋め込み式ドアハンドルになったボルボ ©sawahajime[写真拡大]

  • Photo:Volvo140シリーズの1971年式ドアハンドルはU字型
  • Photo:Volvo140シリーズの1972年式ドアハンドルは埋め込み式

●5ナンバーと3ナンバー

 小型乗用車(5ナンバー)と中型乗用車(3ナンバー)は、昔は歴然とした相違があった。

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 昔のイメージを端的に云えば、3ナンバーはアメ車に代表される大きなクルマで、企業の役員クラスが運転手付きで乗るみたいな捉え方をされていた。

 オーナーカーの最大クラスは「クラウン」か「セドリック&グロリア」で、小型車枠一杯の寸法で作られていた。

●5ナンバーサイズ

 小型乗用車の寸法枠は全長×全幅×全高が4700mm×1700mm×2000mmで、これを超えると中型車となる。

 因みに、排気量にも制限があり、ガソリン車の場合は2000㏄が上限で、これを超過すると中型車となった。従来、国産車は全長に対して全幅が小さく、真上から見るとヨーロッパ車に比べると細長い印象が強かった。

●5ナンバー枠を超えると大幅負担増だった

 ファミリーカーでも全幅が1700mmを超える車種も多くなったが、現在の自動車税は5ナンバーであろうと3ナンバーであろうと、エンジン排気量の区分で決まるから、殆ど5ナンバーと3ナンバーの差を気にする人がいなくなった。

 しかし昔は「3ナンバーは贅沢」との考えが根底にあり、実際5ナンバー枠を超えると極端な負担増となった。

●日本の税規制に合わせたボルボ

 中型車と小型車で、税金が大きく違った当時、Volvo140(1966年~1974年)は全長4640㎜×全幅1730㎜×1440mで登場した。

 ボルボは、ドアハンドルが1700mmを30mm飛び出しているだけで小型枠を超えて中型車(3ナンバー)になり、僅かな全幅の差が、大きな税負担となる。

 車体本体の全幅は1700mm以内に収まっているのに、ドアハンドルがU字型をしていて、U字部分を握ってプッシュボタンを押してドアを開くタイプで、この部分が飛び出して1700mmの枠を飛びし、税金面で割高な3ナンバーになったのだ。(写真2参照)

 国内のボルボユーザーの声を受けて、日本代理店はボルボ本社にアピールし、結果的にはボルボがドアハンドルの形状を写真の様な埋め込み型に変更した。(写真3参照)

 その結果、この形状の方が安全面でも有利だと、思わぬ効果を発揮して、世界的に展開される事になった。

●危険防止で形状変更

 これは1960年代のリッタークラスに分類される「大衆車」と呼ばれた頃の、某社の車のケースだ。

 その車種は、コスト重視の廉価なモデルだったが、上記のボルボのU字型よりもコストの掛からない、U字型の一方がボディから離れていて、ドアハンドル全体をドアに取り付けられた側をこじって起こすタイプだった。

 弾みというのは恐ろしいもので、この構造が歩行者とすれ違った際に、歩行者の腹部に刺さる事故が起こった。メーカーはこの事象を受けて、早速ドアハンドルの構造を「車体から離れた」タイプから、ボディに両端が埋め込まれたタイプに変更した。

 現在の車は、U字型のプッシュボタン方式か、ドアハンドル全体を引き上げるタイプになっている。

 ごく一部、ドア開閉時にドアハンドルが飛び出すギミックを採用した車もあるが、トラブった際に不都合なだけで、安全性に特段の優位性は感じられない。

 基本、自動車メーカーは絶えず安全を第一として、ユーザー要望を反映しての改善を重ねているのだ。(記事:沢ハジメ・記事一覧を見る

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