欧米為替見通し:ドル・円は伸び悩みか、米長期金利の上昇余地を見極め

2021年2月17日 17:25

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記事提供元:フィスコ


*17:25JST 欧米為替見通し:ドル・円は伸び悩みか、米長期金利の上昇余地を見極め
17日の欧米外為市場では、ドル・円は伸び悩む展開を予想する。米小売売上高など経済指標が堅調な内容となれば、回復期待のドル買いに振れやすい見通し。ただ、米長期金利の上昇余地が乏しいとの見方が広がれば、ドルは失速しそうだ。

前日発表されたNY連銀製造業景気指数が予想を大きく上回り、経済の早期正常化をにらみリスク選好ムードが広がった。米バイデン政権による追加対策や新型コロナウイルスのワクチン供給促進など好材料を受け、米10年債利回りは大きく水準を切り上げた。それに連動してドル買いが優勢となりユーロ・ドルは1.21ドルを割り込み、ドル・円は106円台に浮上。ただ、本日アジア市場では米金利の失速で前日のドル買いは一服し、ユーロや円など他の主要通貨は底堅い値動きとなった。

この後の海外市場では、米長期金利の上昇を見極める展開となろう。今晩の米経済指標で小売売上高はプラスに転じると予想され、回復基調を先取りした金利高・株高を背景にドル買い地合いが強まる可能性がある。ただ、米10年債利回りの上昇余地は狭まっているとの見方もあり、一段のドル買いは縮小する見通し。一方、1月に開催された連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨はハト派色の強い内容とみられ、実質ゼロ金利政策が長期化するとの思惑もドル買いを弱める要因となりそうだ。

【今日の欧米市場の予定】
・17:00 南ア・1月消費者物価指数(前年比予想:+3.3%、12月:+3.1%)
・22:30 米・1月小売売上高(前月比予想:+1.0%、12月:-0.7%)
・22:30 米・1月生産者物価指数(前月比予想:+0.4%、12月:+0.3%)
・22:30 カナダ・1月消費者物価指数(前年比予想:+0.9%、12月:+0.7%)
・23:15 米・1月鉱工業生産(前月比予想:+0.4%、12月:+1.6%)
・23:15 米・1月設備稼働率(予想:74.8%、12月:74.5%)
・24:00 米・2月NAHB住宅市場指数(予想:83、1月:83)
・24:00 米・12月企業在庫(前月比予想:+0.5%、11月:+0.5%)
・04:00 米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(1月26-27日開催分)
・中国休場(旧正月)《FA》

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