大日住薬、エフオン、ひらまつなど/本日の注目個別銘柄

2020年12月29日 16:12

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記事提供元:フィスコ


<7860> エイベックス 1095 +17反発。発行済み株式数の6.18%に当たる270万株、30億円を上限とする自社株買いの実施を前日発表、本日の立会外取引で239万7600株の買い付けを実施。1株当たりの価値向上を評価する動きに。ただ、立会外取引で自社株買いは終了、今後の需給改善期待などは高まらず。また、24日の固定資産譲渡による特別利益計上発表で、これを原資とする自社株買い期待もあったため、大きな買いインパクトにはつながらず。

<7011> 三菱重 3194 +148大幅続伸。米電力大手のエンタジー・コーポと共同で、米国で水素の製造や貯蔵、利用に関する共同研究に乗り出すと報じられている。水素を使ってCO2の排出を減らす火力発電システムなどの開発につなげていく計画。エンタジー社は米国内で保有する発電設備容量がトップクラスの水準とされている。前日も水素を利用した製鉄設備の建設が伝わったことで大幅上昇、水素社会到来による活躍余地の広がりを期待する動きが優勢に。

<2914> JT 2090 -96大幅続落。12月配当権利落ちで、換金売りの動きが優勢に。期末配当金77円を計画しており、前日終値をベースにすると配当利回りは7%の水準に。不動産売却益一巡による来期業績への不透明感もあり、権利落ち分以上の下落幅となった。同社のほか、グロバルLM<3486>やブロドリーフ<3673>、ペッパーF<3053>、シンシア<7782>、日エスコン<8892>など12月期決算銘柄が総じて下落率が上位に。

<2764> ひらまつ 143 -15大幅続落。提出期限延長の承認を受けていた第2四半期報告書を期限までに提出できない見込みとなったと発表している。経営者による資金還流を通じた不正な財務報告に関して、財務諸表注記の修正に時間を要していることが背景。監理銘柄(確認中)に指定されるとともに、21年1月12日までに報告書が提出できなかった場合は、整理銘柄に指定された後、上場廃止となるもよう。先行き不透明感が一段と強まる状況になっている。

<9514> エフオン 1259 -158大幅続落。大和証券では投資判断を「1」から「3」に2段階格下げしている。目標株価も1320円から1220円に引き下げへ。再エネ銘柄の一角として注目や評価が高まったことを背景に株価は大幅上昇しているが、今後は、期待先行局面から具体的な利益やバリュエーションの水準を議論する局面への移行が生じるとみている。現在の株価は24年6月期までの利益成長を反映した水準にあると判断。

<3919> パイプドHD 1612 +103大幅反発。前日に第3四半期の決算を発表、累計営業利益は8.2億円で前年同期比9.6%減益、上半期1.5%増益からは減益に転じている。一方、通期予想は最終利益を従来の7-8億円から9-10億円に上方修正、投資有価証券売却益293百万円の計上が確定したことを背景としている。営業利益予想を据え置きとしていることもあって安心感、押し目買いの動きが優勢になっている。

<9107> 川崎船 2070 +67大幅反発。21年3月期業績の上方修正見通しを発表、正式には第3四半期決算時に開示するとしている。第3 四半期業績は持分法適用会社ONEのコンテナ船事業が想定を大幅に上回っており、累計では約400億円の経常利益となる見込みとしている。上半期経常利益は100億円で、現在の通期予想はゼロとなっている。日本郵船の上方修正見込み発表で期待感もあったが、大幅な上方修正を織り込む動きが再度強まる流れに。

<8227> しまむら 10440 +100反発。前日に第3四半期の決算を発表、累計営業利益は312億円で前年同期比64.5%増益、9-11月期は152億円で同3.3倍となり、市場予想の中心値も20億円近く上回ったとみられる。在庫抑制や値引き抑制などが奏効して粗利益率が上昇している。総じて決算内容への評価は高まっている印象であるが、第2四半期決算時と比較するとインパクトは限られ、やや出尽くし感が先行する形になっているようだ。

<3086> Jフロント 809 +15反発。前日に第3四半期決算を発表、9-11月期事業利益は16億円となり、会社側の下半期計画9.5億円を上回る水準となっている。ただ、もともと会社側想定は極めて控え目とみられており、サプライズは少ないもよう。6-8月期の41億円と比較すると水準は鈍化する形にもなっている。新年イベント抑制による1月の売り上げ状況にも不透明感が残り、上値追いの動きは抑制される状況にも。

<4506> 大日住薬 1506 +213大幅続伸。連結子会社の米マイオバントがファイザーとの間で、ゴナドトロピン放出ホルモン受容体阻害剤レルゴリクスについて、がん、婦人科領域における北米での共同開発・販売に関する契約を締結したと発表した。がん領域における北米と一部のアジアを除く地域でのレルゴリクスの独占的な販売のオプション権も許諾のもよう。契約締結の対価として、契約一時金や販売マイルストンで総額最大42億ドルを受け取る可能性と。《ST》

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