ユーロ週間見通し:下げ渋りか、英国との通商合意の影響残る

2020年12月26日 14:12

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記事提供元:フィスコ


*14:12JST ユーロ週間見通し:下げ渋りか、英国との通商合意の影響残る
■弱含み、ポンド買い・ユーロ売り拡大の影響も

今週のユーロ・ドルは弱含み。通商交渉の漁業権問題で英国の譲歩案を欧州連合(EU)が却下したことから、ユーロ売りが先行した。英国とEUの通商協定が合意に至る動きに沿って、ユーロ買い・米ドル売りが再び強まる展開となったが、週後半にポンド買い・ユーロ売りが拡大したことから、ユーロ・ドルは1.22ドルを再び下回った。取引レンジ:1.2130ドル-1.2257ドル。

■もみ合いか、ウイルス変異種の感染流行を警戒も

来週・再来週のユーロ・ドルはもみ合いか。新型コロナウイルス変異種の欧州でのまん延で制限措置が強化されるなか、経済への影響を懸念したユーロ売りが先行しそうだ。1月7日発表の11月ユーロ圏小売売上高はマイナスに落ち込むとみられ、ユーロ売りの要因になりやすい。ただし、米国金利の先高観は後退しており、リスク回避的なユーロ売り・米ドル買いが大きく広がる可能性は低いとみられる。

予想レンジ:1.2100ドル−1.2300ドル

■伸び悩み、ポンド買い・ユーロ売り拡大の影響受ける

今週のユーロ・円は伸び悩み。週初に126円67銭まで買われたものの、英国と欧州連合(EU)との通商協議は12月24日までに合意したことから、ユーロ売り・ポンド買いの取引が急拡大した。この影響でユーロ買い・米ドル売りはやや縮小し、ユーロは対円でも伸び悩んだ。取引レンジ:125円92銭−126円67銭。

■下げ渋りか、英国との通商合意の影響残る

来週・再来週のユーロ・円は下げ渋りか。欧州での新型コロナウイルス変異種のまん延を警戒して、リスク回避的なユーロ売り・円買いが強まる可能性がある。ただ、欧州連合(EU)と英国の通商合意によって、ユーロ圏経済の混乱は当面回避される見通しとなっており、ユーロ買い・米ドル売りが優勢となった場合、ユーロ・円は下げ渋る可能性がある。

○発表予定のユーロ圏主要経済指標・注目イベント
1月7日:11月小売売上高(10月:前月比+1.5%)
1月7日:12月消費者物価コア指数(11月:前年比+0.2%)
1月8日:11月失業率(10月:8.4%)

予想レンジ:125円00銭−127円50銭《FA》

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