ここまで来たか!「AI婚活」 自治体マッチングに20億円補助 (2) 実生活の問題

2020年12月26日 17:28

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(2)実生活の問題
 女性が結婚の条件として「収入・職業・学歴」などを挙げることは多い。例えば実生活における「収入」は、子供を産み、育てるには基本的に重要なことだからだ。その他、「価値観が同じ」ことを重視するのは、実生活で意見が分かれ衝突が起きないことが結婚生活で必要だからだ。

【前回は】ここまで来たか!「AI婚活」 自治体マッチングに20億円補助 (1) フェロモンの問題

 永年、多くの実例を見続けている筆者が見ると、「男性の収入」は実生活で最も重要であることが明白だ。事業の失敗や失業、遺産相続など金銭問題によって、「惚れていたはずの夫婦」が別れることは多い。男性に収入がなくなると女性が見捨てることは、当然のようにある。その時、女性が男性を見捨てる理由をいろいろ述べるが、要するに「お金がなければ生活できない」ということだ。

 余計なことかもしれないが「フェロモンに酔って、惚れている状態」が続くのは3~4年と見ておいたほうが良い。その後は「実生活の価値観」が2人を左右する最重要因子と見ておくべきと言えるだろう。そこにAIがアドバイスを出来ているのであれば、利用価値の高いシステムと言える。つまり数十年に渡る2人の関係のデータを教師データとしてAIが読み取っているのかだ。残念ながら、これについての情報がない。

 だが一方で、通常、お金の問題でないのが子供である。これは嬉しいことだ。「子供はお金で買えないもの」と認識できている。言い換えれば、子供については本能に基づいて言動していることが8割程度と私の経験では言えるのだ。

 親族との問題でも、価値観が近いほうがトラブルは少ない。また「苦手なことが一致しているカップル」がうまくいくそうだ。これも納得がいく傾向だ。何をするにも「苦手」を避けるのが「わがまま」であり、現代の特徴だ。カップルで一緒に「苦手」を避けることだ。

(3)AIマッチングの確率が高いのはなぜ?
 実生活では価値観が似ているほうがうまくいくのは確かであろう。AI診断による紹介で、会って見たら「もう1人の自分を見つけたよう」と感じる人もいると言う。自分が示していた条件と違う人と会ってみたら、意外と相性が良かったと感じているようだ。

 これは、一義的に「フェロモン」であろう。フェロモンを嗅いで気に入るのは本能だ。だから、自分が提示していた条件などは問題ではなくなる。「一目惚れ」ならぬ「一嗅ぎ惚れ」とでも言おうか。フェロモンで惚れると、このように他のことはどうでも良くなる。人間の性であり、『本当の幸せ』なのかもしれない。『貧しくとも、共に居られれば幸せ』となるのだ。

 こういった場合、「AIマッチング」はカップリングのチャンスを広げて、「偶然フェロモンの相性の良い2人を引き合わせた」と見ておく必要がある。なぜなら、まだAIがフェロモンの相性までデータを持ち合わせてはいないからだ。AIが正しい判断をするには「教師データ」がいる。それもビックデータと言えるほど大量なデータがなければAIの判断はあてにならない。(記事:kenzoogata・記事一覧を見る

続きは: ここまで来たか!「AI婚活」 自治体マッチングに20億円補助 (3) AIマッチングの正体

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