11月の派遣時給、エンジャパンとリクルートは高値続く ディップは下落

2020年12月18日 16:51

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 求人サイトを運営する各社が11月の派遣スタッフ平均時給を発表し、エンジャパンとルクルートジョブズでは高い水準が続いている一方、ディップでは前年同月比マイナスが続いていることが分かった。

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■エンジャパンは最高時給を更新

 16日、エンジャパンが「三大都市圏募集時平均時給レポート」を発表した。11月度における三大都市圏平均時給は前年同月比19円増の1,601円となり、2カ月ぶりにプラスとなったと同時に、20年3月(平均時給は1,591円)以来8カ月ぶりに最高時給を更新した。

 時給水準が高いIT系案件で経験者需要が拡大し、人手不足の続く介護・医療系案件でも採用強化を目的とした時給引き上げがあった。一方で未経験者を対象とした時給が低めのオフィスワーク系では案件の数が減少したことも、全体的な時給アップにつながった。

 エリア別では、関東エリアが同28円増の1,673円、東海エリアが同54円増の1,413円、関西エリアが同57円増の1,439円となり、3エリアとも過去最高時給を更新。また関東エリアは2カ月ぶりのプラス、東海エリアが5カ月連続、関西エリアが27カ月連続でプラスになっている。

■リクルートは高値水準が続く

 同日、リクルートジョブズが「派遣スタッフ募集時平均時給調査」を発表。11月度における三大都市圏全体の平均時給は前年同月比94円増の1,713円となり、7カ月連続でプラスとなった。過去の最高時給を更新していないものの、20年7月(平均時給は1,720円)につぐ高い水準となった。

 職種別の時給で前年同月比が大きく上がったのは、オフィスワーク系の通訳・翻訳が1,899円(前年同月比:271円増、以下同じ)、IT・技術系のSE・プログラマ・ネットワークエンジニアが2,494円(55円増)、ユーザーサポート・ヘルプデスクが1,882円(60円増)、CADオペレータ・CAD設計が1,823円(69円増)、医療介護・教育系の治験関連が2,012円(129円増)など。下がった職種では、オフィスワーク系の財務・会計が1,611円(37円減)、クリエイディブ系のデザイナーが1,452円(91円減)などがある。

 エリア別では、関東が1,808円(123円増)となり8カ月連続でプラス。東海が1,620円で(148円増)、関西が1,519円(51円増)となり、ともに7カ月連続でプラスだった。

■ディップは11カ月連続でマイナス

 同日、ディップが「派遣時給データ」を発表した。11月度における派遣平均時給は前年同月比17円減の1,437円となり、20年1月から11カ月連続でマイナスが続いている。

 職種別の時給で大きく上がったのは、事務・オフィス系のマーケティング・企画が1,925円(前年同月比:132円増、以下同じ)、販売・営業・飲食・サービス系のその他営業・サービス系が1,605円(254円増)、IT・エンジニア系のCAD(建築・土木・設備)が1,789円(119円増)、医療・介護・研究・教育系のインストラクター・講師・塾講師が1,859円(278円増)、歯科衛生士・歯科助手が1,410円(246円増)など。下がった職種では、WEB・クリエイター系のWEBデザイナーが1,769円(145円減)、IT・エンジニア系のOAインストラクターが1,621円(324円減)などがある。

 エリア別では、関東が1,507円(32円減)となり2カ月ぶりにマイナス。東海が1,319円(24円増)、関西が1,366円(26円増)となり、ともに3カ月連続でプラスだった。(記事:県田勢・記事一覧を見る

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