史上初のオンライン開催! 高専ロボコンの新たなる挑戦

2020年11月15日 21:37

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記事提供元:エコノミックニュース

イベントの内容や開催方法によっては、中止の判断が止むを得ない場合もある。しかし、『できない』ことを『できる』ように試行錯誤することが、新しい時代に向けて何よりも必要なことではないだろうか

イベントの内容や開催方法によっては、中止の判断が止むを得ない場合もある。しかし、『できない』ことを『できる』ように試行錯誤することが、新しい時代に向けて何よりも必要なことではないだろうか[写真拡大]

 2020年ほど「中止」という文字を目にした年は無いだろう。その理由のほとんどは、もちろん新型コロナウイルスの感染拡大防止だ。とくに学生が参加するイベントでは、家族間での感染拡大が懸念され、早い段階で中止を判断した運営も多かった。そんな残念なムードが漂う中ではあるものの、明るい話題もある。全国の高等専門学校58校から146チームが参加する、ロボットの甲子園こと「アイデア対決・全国高等専門学校ロボットコンテスト(以下、高専ロボコン)」の開催だ。

 今年で33回目を迎える高専ロボコンは、全国の高専学生が毎年異なる課題に対してロボットを製作し、競技を通じて成果を競い合うイベントだ。地方予選を勝ち抜いたチームは全国大会に出場でき、学校関係者や家族、視聴者が応援するという、高専学生にとっての甲子園のようなイベントとなっている。

 今年は例年通りの開催が難しいと判断した運営は、史上初のオンライン開催に踏み切った。 1988年に始まって以来、大会の合言葉となっている「発想力と独創力」を運営サイドが取り入れた結果だ。すでに、北海道・東北・関東甲信越・東海北陸・近畿・中国・四国・九州沖縄での地区大会は全日程が終了しており、あとは全国大会を残すのみ。11月29日、地区大会で選ばれた25チームがバーチャル会場に集い、最後の戦いに挑む。

 オンライン開催の核となるのが、バーチャル会場だ。例年の会場で各チームを応援するというスタイルを、「バーチャル会場」という形で継承。アバターを選択して会場に入ることで、実際会場に足を運んでいるような没入感を生み出した。全国大会では特別に「バーチャル国技館」も準備されているそうだ。

 今回の高専ロボコン開催にあたっては、オンライン開催に踏み切った運営の判断もさることながら、協賛企業の対応にも注目したい。高専ロボコンでは、大会成績の各賞の他に、各協賛企業が選ぶ特別賞も設けており、史上初のオンライン開催にも積極的に協力している。例えば2002年から18年にもわたって支援を継続している本田技研工業株式会社〈7267〉は、特別協賛として今年も審査に参加している。2017年からは同社ホームページにてHonda賞受賞校の紹介などもあげているので、今年度の大会レポートにも期待したい。

 電子部品メーカーのローム株式会社〈6963〉は、2016年に協賛を開始して以降、同社全製品のラインアップから一定額を上限として、ロボット作りのための製品を無償提供している。部品の無償提供は他の協賛企業も行っているが、さらにはロボット作りに最適なロボコン専用モータドライバボードを開発して、これも無償提供するなど、学生の事情に寄り添った形の協賛を行っているとのことだ。また同社は、例年、黒地に会社ロゴがデザインされた「ROHMバッグ」を大会会場で配布していることでも有名だ。学生たちのSNSによると、大きなサイズと頑丈なつくりで使い勝手が良く、ロボコン観戦のシンボルのような存在だという。今年はオンライン開催だったため会場配布はされなかったが、同社の公式SNSにてプレゼント抽選が行われ、ロボコン盛り上げに一役買っていたようだ。

 本田技研と同じく、高専ロボコンや交流会のレポートをロームが運営するエンジニア向け情報サイト「デバイスプラス」に積極的に掲載するなど、学生がより具体的に将来を考えるための材料作りや、現役エンジニアとの橋渡し的な役割にも貢献している。

 今回、紹介した企業の支援は一部だが、(マブチモーターなど)協賛企業各社は、それぞれの特色を活かして、高専ロボコンを支えている。オンライン開催となっても、その活動は変わらず、各社が工夫しながら支援を継続している。

 イベントの内容や開催方法によっては、中止の判断が止むを得ない場合もある。しかし、『できない』ことを『できる』ように試行錯誤することが、新しい時代に向けて何よりも必要なことではないだろうか。奇しくも高専ロボコンの合言葉は、「発想力と独創力」。史上初のオンライン開催をする高専ロボコンを見習って、発想力と独創力を駆使し、この困難を乗り越えていきたいものだ。(編集担当:今井慎太郎)

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