コロナ関連の破たん593件に 小規模事業者中心に勢い止まらず 東京商工リサーチ

2020年10月17日 17:25

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 東京商工リサーチは16日、新型コロナウイルス感染症が原因で破たんした国内事業者数が、累計593件に達したと発表。10月は既に52件に達し、小規模事業者を中心に、9月以降は再び増加基調が続いている。政府の発表によれば、家計貯蓄率は1994年以来の最高値となり、賃金収入の減少以上に消費が落ち込んでいる実態が示された。欧州などで感染の再拡大が続く中、WHOが抗ウイルス薬「レムデシビル」ついて新型コロナウイルスにほぼ効果がないと発表したことも、コロナ禍の長期化を予想させ、消費者心理に悪影響を与えかねない。

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 東京都が17日に発表したところによれば、都内で新たに確認されたコロナ感染者数は235人で、5日間続けて3桁となった。16日までの直近1週間における1日当たり平均は183人で、前週の164人から微増した。10月1日よりGoToトラベルに東京都が追加されたほか、GoToイートが始まったことを鑑みれば、予防対策の効果で感染は抑えられているとの見方もある。

 一方、スペイン、フランス、英国、ドイツなど欧州では過去最多ペースで感染が再拡大しており、気温の低下が一因と考えられる中、これから冬を迎える日本でも警戒が広がる。

 内閣府が16日に発表したところによれば、4~6月期の家計貯蓄率は23.1%と、1994年以来で最高値となった。家計貯蓄率は、所得額から消費額を差し引いた貯蓄額を所得額で割ったもの。同期間における日本人の所得総額は減ったものの、それ以上に消費額が減ったため、上記の結果となった。日本では老後への心配などから消費が長らく低迷しているが、コロナによる外出自粛や将来への不安感が消費の減少に拍車をかけている実態が示された。

 新型コロナウイルスの世界における累計感染者数は、米ジョンズ・ホプキンス大学の集計によれば日本時間17日午前11時時点で3,925万人超、死者数は110万人を超えた。欧州における感染再拡大で増加速度が上がっている。

 国別の累計感染者数は、米国が前週から約38万人増え804万人超と首位を維持する中、インドは1週間で約47万人増え累計737万に達した。以下、ブラジル520万人、ロシア136万人、アルゼンチン96万人、コロンビア94万人、スペイン93万人、フランス87万人、ペルー85万人、メキシコ84万人が続く。日本の累計感染者数は9万2千人を超え、コロナの発生源とされる中国の9万人を超えた。

 かかる状況下、東京商工リサーチは新型コロナウイルスに関連する経営破たん事業者数が、16日16:00時点で593件に達したと発表。このうち533件が負債1,000万円以上の私的整理ないし法的整理。破たん事業者の80%以上が従業員数20人以下の小規模で、8月以降に限れば50人以上の事業者での発生は月1件程度と、破たんの発生は小規模事業者に集中している。業種別では、飲食業が96件と圧倒的で、アパレル関連63件、宿泊業51件、建設業35件が続く。(記事:dailyst・記事一覧を見る

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