NYの視点:米先週分失業保険申請件数は急増の可能性も、加州混乱で

2020年10月15日 07:34

印刷

記事提供元:フィスコ


*07:34JST NYの視点:米先週分失業保険申請件数は急増の可能性も、加州混乱で
米労働省は米国東部時間15日(日本時間15日午後9時30分)、先週分の新規失業保険申請件数を発表する。新型ウイルスパンデミック以降、エコノミストは雇用統計よりも現状の米国の労働市場の状況をより正確に反映するとして、同指数に最も注目している。

市場エコノミストの平均予想は82.5万件と、前回84.0万件から3週連続で減少すると期待されている。パンデミックにより経済が封鎖される前の3月上旬の水準に一段と近づくと期待されている。

しかし、一部では同指数が急増する可能性も懸念されている。カリフォルニア州はパンデミックによる申請の急増でシステムに過負荷がかかり2週間ほどの整備期間中申請の受付を停止していた。先週から申請の受領を再開したため、全国ベースの新規申請件数が急増する可能性があると指摘されている。労働省の試算によると修正分は22.6万件程にのぼるようだ。再び100万件の大台に達することになる。

パンデミックの収束がなかなか見られず経済活動の再開も思ったように進まない。航空会社や中小企業で期待されていたような需要が夏に一時回復したもののその後は、再び鈍化傾向にある。加えて、大統領選挙を控えて追加経済対策の協議もまとまらず、損失がかさんでいる企業は第2次従業員解雇に踏み切らざるを得ず、この流れが警戒される。《CS》

関連記事