太陽系外惑星探査衛星「ケオプス」が明らかにした灼熱の巨大ガス惑星の謎 ESA

2020年10月1日 19:17

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ケオプスが明らかにした太陽系外惑星WASP-189bの詳細 (c) ESA

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 2019年12月18日に欧州宇宙機関(ESA)によって打ち上げられた太陽系外惑星探査衛星「ケオプス」(CHEOPS;CHaracterizing ExOPlanets Satelliteの略)が、本格的な観測活動を開始している。ESAのホームページで9月28日にケオプスによる最新の観測結果として、超高温木星型ガス惑星WASP-189bの発見に関する情報が公開された。

【こちらも】白色矮星を周回する太陽系外惑星、大気中分子を検収可能に コーネル大の研究

 ケオプスには口径32cmの反射望遠鏡が搭載され、トランジット法によって恒星の周りをまわる惑星を探索している。トランジット法とは、恒星の前を惑星が横切ることによって、ごくわずかに恒星からの光が遮られる現象を観測する手法で、1999年に初めてこの方法により惑星が発見されて以来、既に1000個以上の発見実績がある。

 またトランジット法では、惑星と主星である恒星の直径の比率や惑星の公転軌道の傾斜角、ならびに惑星の密度を知ることができるため、岩石型惑星なのかガス型惑星なのかを見極めることも可能である。

 ESAが公開した情報によれば、WASP-189bは、地球と太陽との距離の20分の1の公転半径で主星の周りをわずか2.7日で周回する。主星は太陽よりも大きい青く光る恒星で、惑星の表面温度は3200度にも達する。また自転速度が非常に速いため、形状は赤道付近が遠心力によって引っ張られて赤道半径のほうが極半径よりもかなり大きくなり、つぶれた球形をなしていると考えられている。

 さらに公転軌道は90度近く傾いており、主星の極近くの上空を通過する形となっている。このような公転軌道の傾斜がもたらされた原因は、以前はより外側を周回していたものが、他の惑星の影響でより内周側に押し込まれたことによるとしている。つまりこのことは、WASP-189bが属している恒星系では複数の惑星が存在することを示唆している。

 このような灼熱地獄の世界では、生命の存在は全く期待できないが、WASP-189bは太陽系には存在しないタイプの惑星であり、これらの研究によって太陽系の観測だけでは得られない惑星誕生プロセス解明に役立つ情報収集も期待できる。また、宇宙にはさまざまな形成年代の恒星系が存在しており、太陽系誕生初期と同年代に相当する恒星系も発見が可能であろう。

 つまり、できるだけ多くの太陽系外惑星を発見して、それらを研究していくことが、太陽系の歴史の糸を間接的に紡いでいくことにつながってゆくのだ。(記事:cedar3・記事一覧を見る

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