JAXA、時速500kmという世界最速のヘリ開発を目指す

2020年9月10日 18:38

印刷

記事提供元:スラド

あるAnonymous Coward 曰く、 JAXAが燃料効率に優れた世界最速のヘリコプター開発を目指しているそうだ。目標速度は時速500キロメートル。現在、比較的早い機体でも時速278キロメートル程度だとされる。ドクターヘリ用途などが考えられているようだ(ニュースイッチ)。

JAXAの開発している機体は、メインローターのほかに本体後部に推進用のローターを取り付ける構造で、米国のシコルスキー・エアクラフトが現在開発中の「S-97 RAIDER」に近い方法で高速化を図っている(S-97 RAIDERの動画)。

大きな違いとしては、RAIDERはメインローターに二重反転プロペラを採用しているのに対し、JAXAが提案している高速ヘリコプターはメインローターは一般的なシングルロータータイプであること。機体にはフラップ付きの大型の翼が設けられ、その両端にも小型のプロペラが取り付けられているのが特徴。

シングルタイプの場合は、機体の逆回転を防ぐためのアンチトルク用ローターが必要になるが、JAXA案では翼の両端に付いた小型ローターがアンチトルク用として機能するという。このアンチトルク用のローターは、それほどのパワーがいらないため電気駆動方式だそうだ。

前方への推力はエンジンに直結した後部のローターで得る構造となっている。このためメインローターの角度を変えて推進力を得る一般的なヘリコプターと異なり、機体が前のめりに傾くことがなく、空気抵抗を減らすことがで高速化が期待できるとしている。またこれに合わせてローターブレードの形状も最適化したものが設計され、特許も取得しているそうだ。今後は航空機メーカーと共同研究を進め、実機開発に結び付けたいとしている。

※この記事はスラドから提供を受けて配信しています。

関連キーワード

関連記事