直近のボトム水準である22200円処や200日線が意識されてくる【クロージング】

2020年7月29日 16:09

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記事提供元:フィスコ


*16:09JST 直近のボトム水準である22200円処や200日線が意識されてくる【クロージング】
29日の日経平均は続落。260.27円安の22397.11円(出来高概算11億8600万株)で取引を終えた。米ハイテク株の弱い値動きのほか、為替市場での円高が重石となり、売り先行の展開となった。その後も主要企業に決算を嫌気した流れが目立った他、指数インパクトの大きい東エレク<8035>が決算評価後に下げに転じる中、じりじりと下げ幅を広げる展開となった。前場段階では22500円を若干下回る水準で下げ渋りをみせていたが、後場に入ると日銀のETF買い入れへの思惑がありながらも下げ幅を広げており、ほぼ安値圏で終えている。終値で22400円を割り込んだのは7月10日以来となったほか、4営業日続落は3月30日~4月2日以来となる。

東証1部の騰落銘柄は値下がり数が1800を超えており、全体の8割を占めている。セクターでは海運、情報通信の2業種が上昇した他は31業種が下落。鉄鋼、輸送用機器、その他金融、化学、空運、電力ガス、電気機器などの弱さが目立った。指数インパクトの大きいところでは、ファナック<6954>、信越化<4063>、キヤノン<7751>、資生堂<4911>、京セラ<6971>が軟調。一方でソフトバンクG<9984>が堅調だった。

日経平均はじり安基調が続き、支持線として意識されていた25日線を割り込んで取引を終えている。これにより、直近のボトム水準である22200円処や200日線が位置する節目の22000円を試す流れが警戒されることになりそうだ。主要企業の決算反応が弱いことも模様眺めムードにつながりやすく、本格化する決算の中では、押し目狙いの動きも取りづらいだろう。また、その他のテクニカル面では一目均衡表では雲を上回って推移しているが、やはり雲上限が位置する22000円辺りが意識されるほか、遅行スパンは実線と交差してきており、このまま調整が続くようだと下方シグナルを発生させてくる。

もっとも、この水準までは調整が警戒視されているようであれば、22000円に接近する場面においては改めて押し目買い意欲が強まりやすい。また、米FANG銘柄の決算次第ではあるが、決算後の反応が弱いようだと、グロース株からバリュー株への資金シフトの可能性も意識しておく必要がありそうである。また、中小型株についてもこれまで上昇が目立っていた銘柄には利益確定の流れも目立ってきている。そのため、下値不安を考量してのトレードとして、調整が長期化しているマザーズ銘柄等へ値ごろ感からの買いが向かいやすくなりそうだ。《CN》

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