シニアジョブに見る一味二味違うスタートアップ企業

2020年7月21日 07:49

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 1月17日の企業・産業欄に『シニア世代の人材斡旋に特化した企業の意義』というタイトルで、50歳以上のシルバー層を対象に「求める企業」と「働きたい人材」をマッチングさせるシニアジョブという企業を記した。偽りの会員登録をしての搦め手からの取材(?)を介した記事だった。その後、時代に即した企業はどんな経緯で生まれたのかを知りたくなった。今度は真正面から取材をかけた。

【こちらも】シニア世代の人材斡旋に特化した企業の意義

 創業者の中島康恵氏は、今年29歳。インターハイ出場/J1ユース参加などサッカー少年だった。「プロに・・・」という願望もあった。が、大学1年の時点で「自分はプロでやっていけるのか」と自問自答の結果。「サッカーは趣味」と人生の舵を大きくなった。中島氏には失礼だが、「冷静さ」を持ち合わせていなければ今日のシニアジョブはない。

 業を興したい、と考えた。学生時代にIT企業を立ち上げた。ここからが、凄い。私も多くの起業家を取材したが中島氏ほどの(ずる!?)賢い起業家に出会ったことがない。

 東大をはじめ名だたる大学の工学部系の授業に潜入し、優秀な創業メンバーを集めるという策に出た。まさに「破天荒」という言葉しか思いつかない。

 しかもだ。就職活動もしている。だが端から「社会課題を解決するビジネス」「未来を変えるビジネス」以外に、興味がなかった。ではなぜ、就活を・・・。内定が出た会社に「かくかくしかじかの業を興す。内定より資金を出してくれ、株主になってくれ」とねじ込むためだった。

 そんな篤志家(企業)があるものだろうか。が、中島氏自身が「あった。それと“潜入”して仲間に引き入れた家から資金の提供を受け、2014年にIT企業を設立・登記した」と言うのだから、真に受ける以外にない。

 強運の持ち主でもあった。設立したIT企業の状況は決して芳しいものではなかった。が、そんな中で複数の営業先から「(IT関連の)人材を紹介してくれないか。シニアでいい、いやむしろシニアがいい」と耳にした。

 中島氏は「シニアの人材を求めている企業が現にある。日本は世界でも屈指の少子高齢化という労働力不足に晒されている国。人材派遣会社は多々あるが、高齢者に照準を合わせた会社はない。社会の課題を解決するという目指す方向に、ドンピシャリと合う」と、興して間もない企業の舵を目いっぱいに切り社名もシニアジョブに変えた。

 それが舵を切って僅か4年目の昨年(末時点)には1055件の成約件数をあげるまでに急成長している。シニアを求める企業・仕事を求める企業とも、独自に開拓している。当初は巣鴨やなどシニア層が集まりそうなエリアを道路の清掃をするような恰好で出かけ、企業説明書をシニア達に手渡し説いたこともあったという。

 芽を出すスタートアップ企業は、やはり何かが違う。(記事:千葉明・記事一覧を見る

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