ユーロ週間見通し:もみ合いか、インフレや雇用関連の経済指標が手掛かり材料に

2020年6月27日 14:54

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記事提供元:フィスコ


*14:54JST ユーロ週間見通し:もみ合いか、インフレや雇用関連の経済指標が手掛かり材料に
■上げ渋り、欧米貿易摩擦への懸念残る

先週のユーロ・ドルは、上げ渋り。6月23日発表のユーロ圏6月製造業PMI速報値の上振れを受けて、一時1.1349ドルまで上昇したが、「米国が英国と欧州連合(EU)製品に新たな関税検討」、「ドイツが対米報復関税措置の準備」などの報道を受けてリスク回避のユーロ売りも観測された。欧米株安も嫌気され、ユーロ・ドルは一時1.12ドルを下回った。取引レンジ:1.1169ドル-1.1349ドル。

■伸び悩みか、ウイルス感染拡大の可能性残る

今週のユーロ・ドルは、伸び悩みか。ユーロ圏の6月消費者物価指数や5月失業率など経済指標が市場予想を上回った場合、ユーロ買い・ドル売りが強まる可能性がある。ただし、米国での新型コロナウイルスの感染再拡大への警戒感から安全逃避的なドル買いは継続するとの見方が多く、ユーロは伸び悩む展開が予想される。

予想レンジ:1.1100ドル−1.1300ドル

■強含み、欧州の企業景況感改善を好感したユーロ買い

先週のユーロ・円は、強含み。ドイツやユーロ圏の企業景況感が大幅に改善したことを好感して、ユーロ買い・円売りが活発となり、一時121円10銭まで買われた。ただ、新型コロナウイルスの感染再拡大を警戒してリスク回避的なユーロ売り・円買いも観測されており、対円レートの上げ幅はやや縮小した。取引レンジ:119円31銭−121円10銭。

■もみ合いか、インフレや雇用関連の経済指標が手掛かり材料に

今週のユーロ・円は、もみ合いか。ユーロ圏の6月消費者物価指数や5月失業率などの経済指標は、有力な手掛かり材料となる。世界的に新型コロナウイルスの感染再拡大が警戒されているが、ユーロ圏の主要経済指標が市場予想を上回った場合、リスク回避的なユーロ売り・円買いは抑制される可能性がある。

○発表予定のユーロ圏主要経済指標・注目イベント
・6月30日:6月消費者物価コア指数(5月:前年比+0.9%)
・7月2日:5月失業率(4月:7.3%)

予想レンジ:119円00銭-121円50銭《FA》

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