暗黒エネルギーの調査で新たに発見された2万1千個の銀河 DESの研究

2020年6月18日 11:21

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ハッブル宇宙望遠鏡による世界で初めて発見された低表面輝度銀河マリン1の画像 (c) NASA

ハッブル宇宙望遠鏡による世界で初めて発見された低表面輝度銀河マリン1の画像 (c) NASA[写真拡大]

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 東京大学ビッグバン宇宙国際研究センターによれば、暗黒エネルギーとは、宇宙の膨張を加速するもとになる未知のエネルギーとされている。この宇宙には多くの物質が存在し、その質量が重力の発生源となっているわけだが、常識からすればこの重力のために宇宙は本来であれば収縮をしていくはずである。

【こちらも】銀河形成理論の再考迫る宇宙初期の円盤銀河を発見 アルマ望遠鏡

 しかしながら、観測結果はそのようになっていない。つまりビッグバン理論でも明らかなように私たちの宇宙は膨張し続けていることは、もはや常識である。この重力の存在と宇宙が膨張している現実の矛盾を埋める存在が、暗黒エネルギーなのである。

 最近、この暗黒エネルギーを研究する国際的なプロジェクトDESから、驚くような論文が発表された。この論文は、様々な分野の学術論文投稿サイトとして知られる米コーネル大学図書館が運営するarXiv.orgで、6月8日に公開されたもので、暗黒エネルギーの観測によって、新たに2万1千個にも及ぶ銀河が発見されたのだという。

 今回発見された銀河は、低表面輝度銀河(略称LSBG)と呼ばれる。実に夜空の明るさよりも1等級以上暗い銀河で、光学望遠鏡による観測ではその存在を確認できない。またLSBGは、赤色系と青色系が存在し、赤色系銀河が7,148個、青色系銀河が1万3,829個発見されている。そのサイズは、赤色系銀河も青色系銀河もほぼ同等であることが判明している。

 赤色系銀河は集団を形成しており、近くの明るい銀河団の分布とも相関している。つまり、赤色系銀河の分布には濃淡がはっきりしており、宇宙にはそれらがたくさん存在する部分とほとんど存在しない部分があるという。

 LSBGが暗い原因は、銀河の中で形成される恒星の数が少ないためだが、中性水素は豊富に存在していることから、我々は物質の巨大集団としての銀河の認識が可能なのである。銀河と言えば無数の恒星集団であると勝手に想像してしまいがちだが、宇宙にはこのようなあまり星を持たない銀河も存在しているのだ。

 LSBGが我々にとってほとんどなじみがない理由は、光学望遠鏡での観測ができないことに加え、最初にその存在が確認されたのが1986年と、天文学の分野においてはかなりの新参者であるためだろう。当然、高校の教科書でもまだとりあげられておらず、その存在を認識しているのはよほどの天文マニアだけである。

 それにしても夜空よりも1等級以上も暗い銀河が2万1千個も見つかっている事実は驚きに値する。だが、この数字は過渡的なものに過ぎず、おそらく将来その数は加速度的に増えていくことだろう。宇宙にはまだまだ我々の知らない存在がたくさんある。(記事:cedar3・記事一覧を見る

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