オリックス、通期の当期純利益は3,027億円 コロナの影響で減益も3,000億円の目標を達成

2020年6月5日 20:20

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記事提供元:ログミーファイナンス

オリックス、通期の当期純利益は3,027億円 コロナの影響で減益も3,000億円の目標を達成

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業績総括(1)当期純利益/ROE

矢野人磨呂氏(以下、矢野氏):財経本部長の矢野でございます。ご多忙のところ決算説明会にご参加いただき、誠にありがとうございます。まずはじめに、私から2020年3月期の業績についてご説明します。

スライドの2ページをご覧ください。まず、当期純利益とROEです。第4四半期は、新型コロナウイルスの感染拡大という厳しい環境に見舞われたものの、2020年3月期の当期純利益は3,027億円となり、昨年同期比で減益ではありますが、3,000億円の目標を達成しました。

ROEは10.3パーセントであり、2桁台を維持しています。前期は第3四半期に大京の完全子会社化にともなう繰延税金負債の取崩しがあり、法人税等が270億円減少することで、税後の利益に対しプラスに寄与しました。そのため、税後の当期純利益は前年同期比6.5パーセントの減益となりましたが、税前のセグメント利益は4.1パーセントの増益を達成することができました。

業績総括(2)セグメント利益の内訳

次のセグメント利益の内訳をご覧ください。セグメント利益は4,177億円となりました。ここでは、ベース利益と売却益に分けてご説明します。第3四半期までは、グラフの黒い色の部分を「売却益を除くセグメント利益」と呼んでいましたが、みなさまにご理解いただきやすいよう、この第4四半期から「ベース利益」というシンプルな呼称に変更しました。

そのベース利益は、前年同期比で5.5パーセント減の2,779億円となりました。法人金融サービス等の減益による影響や、のちほどご説明します第4四半期のコロナウイルスの影響があったものの、2019年3月期に投資したNXT CapitalやAvolonの利益が着実に貢献しました。

売却益は前期の1,073億円に比べ、30.3パーセントと大きく増加し、1,398億円となりました。国内外でPE投資の売却益を計上したほか、オリックス・リビングやHoulihan Lokey、RobecoSAMのESGデータ収集・分析・評価部門といった事業を、それらのポートフォリオについても、適切なタイミングで入替えを実施しました。

下のグラフをご覧ください。過去5ヶ年のセグメント利益の推移を示しています。淡い色の売却益は外部環境次第で増減することはありますが、戦略的なキャピタルアロケーションとタイムリーなエグジットを継続した結果、平均で毎期約1,300億円の水準を維持しており、優れたトラックレコードの証左になると考えています。

また、濃い色のベース利益は、2020年3月期のセグメント利益のうち約70パーセントを占めており、過去5年間で安定的に成長してきたことがおわかりいただけると思います。

業績総括(3)セグメント業績

4ページはセグメント業績です。まず、左のグラフをご覧ください。セグメント利益は、事業投資と海外が増益で、それ以外の4セグメントは減益という結果になりました。

次に、右の表をご覧ください。各セグメントの業績の詳細については、スライドの16ページ以降に掲載していますが、ここでは各セグメントにつき一言ずつ簡単にご説明します。まず、法人セグメントですが、セグメント利益は前年同期比109億円減の146億円となりました。国内営業で生命保険の代理店手数料が減少したことが影響しましたが、足元では生命保険以外の販売に注力するなど、商品の多様化に取り組んでいます。

一方、会計ソフトのサービスを行なう弥生は、有償サポートの会員の増加とパッケージ製品の売上増加により増益となりました。なお、このセグメントにおいて、リース会計基準の変更にともなうマイナスの影響額が18億円あります。セグメント資産は、主にファイナンス・リースの減少により、前期末比で1パーセント減の9,483億円となりました。

メンテナンスリースセグメントのセグメント利益は、前年同期比51億円減の337億円となりました。自動車はリース利益が堅調に推移し、レンテックはWindowsパソコンの入替え需要が旺盛で増収となりました。ただし、サービスレベルの向上を目的としたサービス費用、販管費などが増加したほか、IT資産の償却負担もあり、減益となりました。

なお、先ほどの法人金融サービス同様、リース会計基準の変更にともなうマイナスの影響額が26億円あります。セグメント資産は、競争環境の厳しい自動車はやや減少したものの、レンテックはIT関連資産を積み上げ、前期末比で2パーセント増加の8,896億円となっています。

不動産セグメントは、セグメント利益が前年同期比124億円減の769億円となりました。物流施設、商業施設、賃貸マンションなどを売却したほか、オリックス・リビングを譲渡するなど、大口の売却益の計上を継続しましたが、前期比では売却益の減少です。一方で、アセットマネジメント事業は好調です。また、大京も消費税増税前の工事需要の取り込み等により、16億円の増益となりました。

セグメント資産は7,497億円となりました。新規投資を行なった一方で、物件売却も積極的に行ないました。新リース会計基準適用にともなう資産増加による904億円の効果を考慮すると、実質的には前期比で609億円の減少です。

事業投資セグメントの利益は、前年同期比175億円増の557億円となりました。事業投資ユニットが国内PE案件を2件売却したことにより、145億円の大幅な増益となりました。また、空港運営を主体とするコンセッションでは、訪日外国人の増加を受け、空港免税店の売上が伸びたことに加え、一昨年の台風被害にともなう保険金需要もあり、62億円の増益となりました。セグメント資産は、国内PE投資の新規実行や、海外の風力発電事業の投資先を完全子会社化したことなどにより、前期末比で16パーセント増加の8,471億円となりました。

なお、詳細についてはのちほどご説明しますが、当事業は新型コロナウイルスの影響を受けているものの、決算への影響の反映は2021年3月期からとなります。

また、リテールセグメントのセグメント利益は、前年同期比38億円減の804億円となりました。生命保険は外貨建て終身保険など、商品のラインナップを拡充した効果もあり、保険契約件数が順調に伸び、保険料収入が増加しました。ただし、コロナウイルスの影響にともなうマーケットのボラティリティ上昇や金利低下により、旧ハートフォード生命の変額年金保険に関する損失を計上しました。

銀行は投資用不動産、クレジットは地域金融機関の個人向けローンに対する保証残高をそれぞれ伸ばし、増益を確保しています。セグメント資産は、生命保険や銀行における営業資産の増加により、前期末比で17パーセント増加の4兆1,839億円となりました。

海外セグメントのセグメント利益は、前年同期比310億円増の1,564億円となり、前期に買収した投資先からの利益が大きく貢献しました。加えて、Houlihan Lokey、UAF、RobecoSAMのESG部門など、既存のポートフォリオを入替えたことにより、売却益も獲得しています。セグメント資産は、米国の不動産ローン組成・サービシング会社であるHunt Real Estate Capitalの買収により、前期末比で5パーセント増加の3兆2,874億円となりました。

業績総括(4)4Qに含まれる新型コロナウイルス禍の影響

5ページでは、新型コロナウイルスの感染拡大が第4四半期の税前利益におよぼした影響額について、大きく4つの項目に分けてご説明します。1点目は、株式、債券等のマーケットが大きく変動したことによる影響です。当社が保有する有価証券の時価下落にともなう評価損が30億円発生しました。さらに、旧ハートフォード生命の変額年金保険に関わる責任準備金が変動したことにともない、70億円の損失となり、OCE(旧ロベコ)のAUM減少による運用手数料の減少によっても、30億円の利益の減益となりました。

また、エネルギー価格の下落を受け、米国でエネルギー事業者向け債権にて、30億円の貸倒引当金を計上しました。なお、マーケットは4月に入って回復しており、今日現在で言えば、先ほどお伝えした要因は、2021年3月期第1四半期の決算に対してはプラスの影響を与える状況です。

2点目は、不動産セグメントに含まれる運営事業の影響についてです。当社は日本国内で5,000室を超えるホテル、旅館等の施設を運営していますが、アジアを中心としたインバウンドの需要が急減し、国内でも旅行や出張が自粛されたため、稼働率が大きく低下しました。また、感染拡大を防止する観点から、水族館などの施設を閉館し、あわせて20億円の減益要因となりました。

3点目は、コンセッション事業に対する影響です。当社が40パーセントを出資している関西エアポートは、関西国際空港を含む3つの空港を運営しています。世界的な出入国制限の影響を受け、国際線を中心に大幅な減便や運休が相次ぎ、旅客数も大きく減少した結果、3空港合計の3月の発着回数は前年同期比で32パーセント減、旅客数は69パーセント減となりました。

売上が減少する中、雇用の維持や地元への貢献を意識しながらコストの削減等を模索していますが、大幅な減益となっています。ただし、関西エアポートは3ヶ月遅れて決算を取り込んでいるため、2020年1月から3月のコンセッション事業の影響は、この第4四半期の決算には反映していません。

また、4点目の航空機リース事業についても、この第4四半期の決算について大きな影響はありませんでした。4つの項目の影響額を合計しますと、新型コロナウイルスの感染拡大により、税前利益で150億円から200億円の減益の影響を受けたことになります。

ここまで、私から2020年3月期の業績について説明しました。続いて、CEOの井上よりご説明します。

20.3期実績について

井上亮氏(以下、井上氏):井上でございます。6ページ目からご説明いたします。繰り返しになりますが、昨日発表しましたとおり、2020年3月期は税前利益4,126億円、前期比4.3パーセント増でしたが、純利益は3,027億円となり、前期比6.5パーセント減という結果になりました。

ROEは10.3パーセントで、11パーセントを下回る結果となりましたが、前回の発表のとおり、将来的にもROE11パーセントを目指すという目標を変更せず、改善する努力を継続していく所存です。また、マーケットの環境変化により、格付け機関数社がオリックスに対するアウトルックをネガティブに変更しましたが、現状は格付けA格を維持しています。

2020年3月期の配当金に関しては、予定どおり通期で1株あたり76円、上半期35円、下半期41円の配当を実施しますので、通期の配当性向は32パーセントとなります。

また、昨年度に発表しました、1,000億円を上限とした自社株買い実施に関して報告します。まず、2019年11月1日から2020年5月8日の行使期間において、自社株買い3,400万株を総額558億円にて買取しました。平均購入単価は1,638円でした。なお、オリックスが保有する発行済株式に対する比率は5.8パーセントとなりましたので、5パーセントを超える保有株式の約1,100万株については消却しました。

残念ながら、2月より表面化した新型コロナウイルス感染の影響で、株価が急落した関係から、今回の自社株買いが株主さまにはメリットを享受できたとは言いがたい結果であったと認識しています。

今回の自社株買いの当初の目標である、1,000億円は使い切らずに終了しました。当面、未使用部分による自社株買いの行使期間を延長すること、または新たに自社株買いのプログラムを設定することは予定していません。今期は流動性確保を重視すべきという観点から、コロナウイルスの収束状況と世界経済の回復状況を見極めた上で、自社株買いの可否を判断すべきであると考えています。

昨年10月に、オリックスグループの中期的な方向性について言及しましたが、今回のコロナウイルスの問題が今後どの程度継続するのか、また収束したとしても世界経済の回復にどの程度の時間が必要なのかを見極める必要があると考えています。

日本を含む主要国がそれぞれ独自の感染拡大防止策を模索しており、統一された協調関係が見えていないのが現状であると認識しています。その状況下においてオリックスとしては、今期を含めた短期的な方向性の開示はもちろんのこと、中期的な方向性に関して、具体的に言及することは困難であると判断しています。

手元流動性について

7ページをご覧ください。先ほどもお伝えしましたが、2021年3月期の重点的な課題は流動性の確保であると考えています。コロナウイルスの問題は、その収束時期によっては今後もオリックスの収益性に大きな影響を与えることになります。

しかしながら、財務面において高い長期借入比率を維持しており、十分な手元流動性を確保できていますので、オリックスグループの財務、および営業キャッシュフローの全体の資金繰りに対する影響は限定的であると認識しています。

手元流動性ストレステスト

8ページをご覧ください。2021年3月期における手元流動性の検証は限定的ではありますが完了しています。すべての事業への影響度合いを業種別に検証した上で、運営事業などの一部の事業を除いたその他事業を維持、継続することを基本方針とします。

ワーストケースを想定した場合でも、また5,000億円程度の新規投融資を実行したとしても、6,000億円以上の手元流動性を確保できると試算しています。現状レベルの流動性を維持するという基本方針に変更はありませんが、今期においてはとくに調達面でのストレスを保守的に考慮しながら、新規投融資をコントロールすることで十分な流動性を確保できると判断しています。

しかしながら、前回ご説明しました中期的な方向性を確実なものにするためにまずやるべきことは、コロナウイルスの問題が収束したあと、速やかに通常レベルの軌道に戻すことですが、そのためにはある程度の時間がかかるものと考えています。

新型コロナウイルス禍による影響

9ページをご覧ください。不動産セグメントにおける運営事業においては、残念ながらホテルや旅館などがすべて閉館していますので、セグメント資産総額1,180億円からの収益は当面期待できないと考えています。人件費、償却費等によりインバウンドの回復まで、利益貢献はマイナスとなります。その他賃貸物件に関しても、多くの賃料引き下げの要請を受け付けており、個別対応している状況です。

コンセッション事業の中心となる関西エアポートについては、2020年3月期までの約4年間で、当初出資額の200億円に対して、すでに191億円の配当収入がありました。しかし、2021年3月期の配当は0になることを想定しており、また持分法による収益貢献も期待できないと考えています。4年間にわたる持分法利益の累計は、株主ローン120億円の受取利息31億円を含めますと、504億円となっています。コンセッションの残存期間が39年ということを勘案すれば、1年程度の落ち込みによる実損は容易に回収できるものと思慮しています。

輸送機器事業に関しては、2020年3月期においてセグメント資産5,853億円、セグメント利益446億円を計上していましたが、現状では多数の航空会社からリース料の繰延要請を受けており、個別対応を行なっている最中です。世界の物流、人の移動が回復するまでは、航空業界は低迷すると想定しています。しかしながら、オリックスの航空機事業は1990年に創業して以来、湾岸戦争、SARS問題、911問題、リーマンショック等の多くの経験とノウハウを蓄積しています。

経験則から判断して、今回の新型コロナウイルス感染から脱却するには、新聞などでは24年までと記載されていますが、1年以上の時間を要すると思慮しています。

しかしながら、投資金額の大半は「tangible asset」であることから、ダウンサイドリスクは限定的であると判断しています。アセットマネジメントセグメントのオリックスヨーロッパグループであるロベコにおいては、2019年12月のAUMが2,870億ユーロであったものから、2020年3月末には2,330億ユーロまで縮小しましたが、4月以降は増加傾向に転じています。当面は、欧州の状況を注視していく必要があると考えています。

その他のセグメントへのコロナウイルスの問題の影響もゼロではありません。ファイナンス部門においては、顧客からの技術量の繰延要請もあり、ある程度のマイナス要因を加味する必要があります。

以上のとおり、多くの不確定要因が存在している現状、今回は今期を含めた中期計画に関する詳細の開示は行なわないことにします。当然ながら、新型コロナウイルス感染の収束状況が見えてきた段階で、あらためて詳細のご説明をしたいと考えています。

21.3期についての考え方

10ページをご覧ください。コロナウイルスの問題の影響を受ける期間の予測や、収束するにしても現状復帰にどの程度の時間が必要なのかなどの検証を行ない、オリックスグループの連結純利益へのマイナスインパクトを算出しています。

現状の世界情勢、日本の緊急事態宣言の状況を見ても、第1四半期、第2四半期において感染状況が改善できているとは考えられない状況です。仮置きしたシナリオは、仮に第3四半期終了までに徐々に正常化していくという前提の場合、グループの純利益は1,800億円から2,000億円前後まで落ち込むと予想しています。また、影響が1年間継続すると仮定した場合は、純利益は800億円から1,200億円前後まで落ち込む可能性があると判断しています。

この数字は、その間において新規投資や資産の売却を一切行なわない前提での試算ですので、あくまでご参考レベルで捉えていただければ幸いです。現状、多くのパイプラインの新規投資案件があり、我々の投資は必ずフィジカルデューデリを行なう前提になっていますが、インド、中国、ヨーロッパなどでのいろいろな案件について、現在人を送ってデューデリができない状況です。コロナウイルスが解決すると同時に動くことが前提ですが、コロナウイルスの問題がいつ解決するのか、人の移動がいつ行なわれるのかによって数字が上向くものと考えています。

中長期的な方向性(1)

11ページをご覧ください。基本的には、今回の新型コロナウイルス感染は一時的な影響として捉え、時期が来れば必ずマーケットは反転するものと考えています。

この方向性はオリックスにとって、さらなる成長を捉えることを可能にするチャンスだと認識しています。世界的に割高となっていたPE投資を含めたM&Aのエントリープライスが、調整局面を迎えるものと考えています。収束後速やかに、チャンスを逃すことなく投資を再開するための準備を整えていく所存です。

昨年10月に言及しました中期的な方向性としての4,000億円、5,000億円を目指す姿勢を変えるつもりはありませんが、時間軸を含めた工程表を作成し直す必要があると考えています。中期的な方向性を加味した中期計画の作成および発表は、コロナウイルスの問題の収束が見えてくる頃合いまでお待ちいただきたいと考えています。

また、MICE–IRプロジェクトに関しての基本的な方針に変更はありません。しかしながら、今回のコロナウイルスの問題が当事業に与える影響を検証する必要があると思います。長期にわたる施設閉鎖に耐え得る、十分な流動性を確保しておく必要があると考え、新しい生活様式やソーシャルディスタンスという概念がどのように影響するのか、IRにおいて運営上成り立ち得るものなのか、今後再開されるラスベガスの事例などを検証していきたいと考えています。

大阪IRにおいては、MGMオリックスグループのコンソーシアムがRFPプロジェクトに参加する唯一の事業者となっていますが、現在は緊急事態宣言の最中であり、未だ国の基本方針も公表されず、不透明、未確定な部分もありますが、それらの問題は大阪府次第と認識しています。事業者候補である弊社がコメントする立場にはありませんが、どちらにしても、オリックスとしては必要な検討や分析を行ない、今後の提案に反映させながら対応していく所存です。

中長期的な方向性(2)

12ページをご覧ください。オリックスグループにとっては、今回の新型コロナウイルス感染症で、いろいろな新しいビジネスチャンスが生まれてくる可能性があると判断しています。その意味から中期的な方向性、つまりグループの収益規模を4,000億円、5,000億円と拡大していく中期的な方向性を変更するつもりはないと判断しています。

コロナウイルスの問題の影響により、日本および世界のあらゆる分野における価値観が大きく変容する可能性があることを、十分認識すべきであると考えています。デジタル化、AIの加速にともなう新分野への投資、在宅テレワークによる事務所スペースの縮小によるコスト削減など、多くのテーマが浮かび上がってくるものと期待しています。

株主還元について

13ページをご覧ください。先にもお伝えしたとおり、2021年3月期の純利益予想を開示することは困難であると考えていますが、2021年3月期上半期における中間配当予想は、前期と同様の35円とする所存です。また状況を勘案した上で、今期に限り配当性向は50パーセントとする予定です。

しかしながら、上半期における配当金額については、新型コロナウイルス感染症の状況次第、今後の業績次第であることをご認識いただきたいと思います。また、コロナウイルスの収束が見え、世界経済の回復基調が確実なものと判断できるまでは、自社株買いは行なわないこととします。

コロナウイルスの収束後に始まる回復には、ある程度の時間が必要であると認識していますが、2021年3月期以降、いずれはどのようなかたちであろうと世界経済の復活が見込めると確信しています。その場合、当然ながらオリックスの収益は最低限の3,000億円を目指すことに変わりはありません。3,000億円の後、4,000億円、5,000億円と向かうことを約束したいと思います。

世界経済の復調に向かって動きが見えてきた際には、今までどおり、余剰資本はオリックスグループの成長のための新規投資に使わせていただくことをご理解いただきたいと思います。その際は、配当性向を前期レベルまでに変更することをお含みおきください。自社株買いの再開については、流動性ROEや自己資金比率等を総合的に検証した上で、混乱の極みとなっている世界経済情勢が収束したあとに発表する所存です。

まとめ

14ページはまとめとなります。新型コロナウイルス感染症は日本および世界経済に多大な損害を与え、予測不可能な状態になることを覚悟する必要があると認識しています。残念ながら将来予測を確定数字ベースで開示することができませんでしたが、当面は流動性確保を基本方針として、慎重な経営を心がけていきたいと考えています。

また、新型コロナウイルス感染による日曜業務への影響度は、極めて限定的であることをご報告します。欧州、米国を含めた海外の拠点は100パーセントの役職員が在宅テレワークを実施していますが、運営上の支障は皆無です。国内の拠点においても、60パーセント程度の役職員が在宅テレワークを実施しており、現状は業務上支障をきたしていません。今後とも役職員の健康に留意しながら運営を継続する所存です。

電話を通しての説明となりご迷惑をおかけしましたが、以上が前期および今期のご説明です。ご清聴ありがとうございました。これからQ&Aを行ないますので、ご質問等はWebでいただいてお答えする方法を取らせていただきます。

質疑応答:エネルギー価格下落に関するエクスポージャーについて

質問者1:5ページのエネルギー価格下落について、保有しているエクスポージャーはどのようなものでしょうか。

回答者:エネルギー関係のものです。オリックスUSAがエネルギー関係のポートフォリオを若干持っています。数件のリスケジュールの要請等が来ていますが、現状では減損等の状況にはなっていません。ポートフォリオの金額は約数百億円レベルのため、基本的に大きな影響はないとご理解ください。

質疑応答:信用損失および航空機リース事業について

質問者2:貸倒引当金費用の増加リスクやCCL適用による2021年3月期第1四半期の資本控除額および第2四半期以降の貸倒引当金費用増加リスクについては、どう展望されていますか。

回答者:信用損失についてですが、現在集計中で、新しい支持モデルは第1四半期より適用します。引当金残高は3月末で500数十億円と、600億円弱ですが、米銀同様に相当な金額が増えるとご認識ください。

ただし、PLのインパクトはありません。第2四半期以降については、私見として、そもそも今回の新しいモデルで将来の予測を入れるのはどうかと思っています。最初に、今期第1四半期での現状に見合ったフルライフのものを入れるため、第2四半期以降に増えていくとは考えにくいと思っています。

質問者2:2つ目の質問は航空機リース事業についてです。現時点で航空機リース収入のキャッシュ・フロー価値に変動は見られないため、減損リスクは限定的と見ていますが、1年の時間軸ではオリックス、アヴァロンのダウンサイズリスクをどう展望していますか。

回答者:現状、航空会社からの繰延要請として、だいたい3ヶ月分のリース料のリファ(リファイナンス)のリクエストが来ています。これらについては、元本分のリファを受け入れ、金利分については通常どおり払う前提で交渉中です。

ご承知のように、例えばアビアンカやバージン・アトランティック、その他でチャプター11、チャプター5があり、そのまま継続して使用されるかどうかは現在交渉中です。

おそらくチャプター11の状況において、リースを継続して使用する場合でも、おそらく時間給ベースのリース料になるため、要注意で見ていくしかないなと考えています。

価格については、今のところアビタスその他の鑑定評価会社からの機体のバリエーションの減額は発生していませんが、1年から2年の時間軸で考えれば、20パーセントぐらいの減損リスクは当然あると考えています。

過去の事例から、航空機のボラティリティは25パーセントが最大であり、おそらくその範囲内で収まると理解していますが、正直なところ、1年から2年でなく新聞記事のような2024年までとなると、減損リスクは将来的にあると考えています。

質疑応答:新型コロナウイルス感染症流行前後でのポートフォリオ入れ替えについて

質問者3:今後大きな投資を見込む、MICE IRについては投資の前提が大きく変わり、何もしなければ株式市場における要求資本コストも上がると想定されます。そうした観点から、ポートフォリオ入れ替えの考え方が新型コロナウイルス感染症流行前の見方と比較して変わった部分があれば、ご解説いただきたいです。

回答者:正直、MICE IRについては、ラスベガスのMGMがずっと閉館しているため、彼らの状況をよく見ながら、本当にMICE IRがオリックスにとってよい投資になりうるのかどうかを今再検討しているところです。時期的にも、入札のプロセスなどもなにも発表されていませんが、かなり遅れるのではないかと私は想像しています。

よってこの数ヶ月においてよく検証した上で、オリックスにとってよい投資であるかどうかを再度検証して考えていきたいと思っています。その観点からポートフォリオ入れ替えの考え方もホテルについては再検討しているところです。

また、ほかに2、3プロジェクトが進んでいるなか、今回のコロナの影響でやはり運営事業についても、もっとシビアに見ていく必要があります。中小のホテル関係において、替えのチャンスがまた来るのか、インバウンドはいつ回復するのか、それから人の移動がいつ回復するのかを見ながら、不動産のポートフォリオについては入れ替えを行なっていくのと同時に、新規投資の可能性もあると考えています。

その他、12兆円のトータルアセットに対してのポートフォリオの入れ替えについては、今回のコロナの問題に関わらず、今までの方針どおり入れ替えていきながら、ROAを高めROEを高めていくという方針に変わりはありません。

質疑応答:買収の対象について

質問者4:次の買収対象はどうなるのでしょうか。今までと同じなのか、変わるのかについて、スライド12ページのメニューをもう少し具体的にご解説ください。これまでの投資は、インフラ関連が中心だったと思います。しかし、コロナ問題によりわかったことは、投資対象の分散が十分ではなく、同じようなリスクをとっていたため、外部ショックに対する相関が会社の想定よりも高かったということではないでしょうか? 

また、今のところ世界の上場株式の価格は高く、一般論として御社がターゲットとする買取対象のバリュー指標はまだ高いのではと思っています。コメントいただいたとおり、御社のターゲットとなる水準まで下がってくるのでしょうか? 見方をお教えください。

回答者:まず、インフラ関連を中心に投資しています、という文章について、インフラ関係は日本における太陽光事業に対するインフラがメインですが、幸か不幸か太陽光事業については、リスケジュールの要請はありません。よって、太陽光の事業についてはまったく問題はなく、支払先は電力会社や国で、FITのとおり今現状支払われており、このあたり逆に安全度の高いインフラ関連投資であると理解しています。

あと、アメリカサイドでインフラのサービス関連事業について、いくつかのプライベートエクイティに投資していますが、これはあくまでインフラをメンテナンスするためのサービス会社であり、州政府、それから政府、アメリカの州政府、それから連邦政府が与信先になるため、それほど大きな問題はないと考えています。

それから、エントリープライスが高いことについては、おそらくこの影響で当然ながら下がってくる業界もある、下がらない業界もあるということです。例えば、日本の不動産についても、これから在宅テレワーク等で、オフィスビルに関しては、若干下がってくるかもしれませんが、一等地ではバリエーションは下がってこないだろうと考えています。

それから、倉庫系、物流系については下がらず逆に上がって来ると思います。すでに物流については十数件の物件をもっているため、逆にもしバリエーションがピークに来れば売却する意図で、新しい新規ディールについては、よほどキャッシュ量がよいものでない限り、投資はしないと考えています。

それから、海外についてはそれぞれ一律に買収対象のバリエーションが高い、低いというのは一律には決められません。バリエーションが低ければやる、高ければやらないという方針は変わりませんが、このコロナ問題が継続されれば、6月ないしは9月ごろにはある程度先が見え、後半にはたぶん買いのチャンスが来ると考えています。

我々のターゲットは、基本的に出口戦略を含めてIRRが15パーセント以上をターゲットにしているため、我々のガイドラインに当てはまるような案件のみ買収の対象にし、それ以上高いものは買わないというのが我々の基本の戦略ですので、この時期に高いものを買ってしまうということはないとご理解ください。

質疑応答:減配への抵抗およびコロナ収束の条件について

質問者5:今期のDPSに関して、スライド10ページの資産と配当性向50パーセントを踏まえると、年内の正常化で前期並みの76円が目線となる印象です。昨年度の説明会では、配当の下限設定を検討されていましたが、減配に対する抵抗はありますか? コロナ収束と判断するために必要な条件は何でしょうか?

回答者:まず、中間配当35円、それから配当性向50パーセント、前期並みの76円相当の実額をベンチするためには、通期の税後利益が1,900億円がボトムラインと認識しています。正直1,900億円前後はやれるかと思ってますが、残念ながらすべて他力本願的な状況になっているため、あえてこの数字を出させていただいたということです。

減配に対する抵抗はあります。しかしながら、状況次第によってはこのようなこともありえるが、それをしないように努力するのが我々の務めと考えているため、減配をせずになんとか76円という前期並みの金額を出したいなと思っています。

そのような意味からすると、配当性向50パーセントというのはそのような裏の意図がありますが、残念ながらもしこのコロナの問題が1年、またさらに続くとなるとさすがに流動性確保が優先されるため、その時は減配になる可能性もあります。堂々巡りになりますが、そのような意識で考えていると、ご理解いただければと思います。

コロナ収束を判断するための条件としては、日本の状態が収束に向かっているということですが……PCRの検査があまりにも少なすぎて、本当に罹っていない人が多いのか、それともBCGで日本人は罹らないのか、いろいろなことがディスカッションされていますが、確定したことは言えません。ただ、我々としてはもうすでに中国あたりから、例えばネガティブパスポートを出せば日本に来てもいいのではないかとか、そのような打診を受けていると聞いています。中国でコロナ問題が本当に収束し、かつネガティブサティフィケート、陰性パスポートをもってこれるのであれば入国を許すなど、中国、日本が動き出すと世界的に波及しますので、やはりコロナ収束は人の移動が動き始めること、これが最低条件になります。人が動けば当然インバウンド、それから、運営事業や航空事業も良くなると考えます。

ただ、今までどおりの規模までに戻るかというと、おそらく若干時間がかかると考えています。コロナ収束はとにかく感染者を少なくする、それから二次災害を減らすことで、それを数字を見た上で判断するということですが、日本だけ判断しても意味はなく、アメリカも今ひどい状態になってますし、これから南半球もどうなるかわかりません。

アフリカは相当被害を受けるだろうなと考えているため、全体的に見るとまだまだ方向性が見えない状況だと思います。私も専門家ではないため、このあたりのことはなんとも言えませんが、やはり収束については、感染者数の下落および二次感染が起きないことが、必要条件になるかと判断しています。

質疑応答:ベース利益と売却益、赤字の部分について、今後の投資機会

質問者6:純利益は1,800億円から2,000億円、または800億円から1,200億円減少するとの試算をお示しいただきましたが、その場合のスライド3ページ目のベース利益と売却益の前提を教えてください。2つ目は、航空機リースやコンセッションの赤字はどの程度見ていますか? それから、3つ目として今後の投資機会をどのように見ていますか? Pファンドの競合、政府中央銀行の介入などがあるなか、事業不動産の売却案件や、破綻企業や不良債権などの再生案件がどの程度増えるかに関心があります。

回答者:まず1つ目ですが、1,800億円から2,000億円、それから800億円から1,200億円の資産はあくまで新規投資0、売却0で考えてます。航空機リースに関しては、200億円強、200億円から300億円、航空機リース、コンセッションもだいたい200、300億円影響が出ると考えています。

航空機の場合は、関空の場合は持分法の取り組み入れのため、赤字がそのままPLに反映されることはありませんが、収入は減るということで、100億円以上の収入が0になると考えています。

一番の影響は、やはりMA事業で、人件費および償却を考えると200億円から250億円ぐらいのマイナスを想定しています。それから投資について、まず破綻企業や不良資産などの再生案件はとくに地方において出てくるだろうと考えています。その場合、我々はオリックスサービスという会社を維持、運営しているため、NPL投資案件が増えてくるものと思いますが、この辺は地銀との関係もあるため、どの程度出てくるかは若干疑問ですが、我々としては当然ながら担保債は行なわないため、あくまで地方の担保債、それからプロジェクトについても、大きなディスカウントがとれるものを行なっていきたいと思っています。

事業不動産の売却案件が出てくるかは今後次第ですが、不動産についてはおそらく出てくるだろうと考えています。事業についても出てくるとは思いますが、やはり我々の目線に合うまで、どこまで案件の価格が落ちるかをよく見ていきたいと思っています。

Pファンドとの競合ですが、今までの案件はあまりPファンドと競合はしないエリアで戦っています。SMBとは言いませんが、ミドル、スモールの事業会社を中心に買収していますので、このあたりはPファンドの競合は今後もないであろうと思われます。

政府中央銀行の介入については正直なところ、我々は想定していません。政府中央銀行の介入があるような案件は避けており、今後もそのような案件はあまりやらないというのが我々の方針です。

質疑応答:配当および不動産運営事業に対するコロナウイルスの影響

質問者6:ご説明の配当性向等踏まえると、今期の利益シナリオは1,800億円から2,000億円を下回った場合には、配当は昨年水準を下回るとの理解でよろしいでしょうか? 

回答者:最悪の場合そうなります。当然ながら、第1四半期、第2四半期が終わったころにだいたい方向性が見えてくるため、その際に今期の数字がどの程度になるかによって、50パーセントの配当性向を確定するか、若干手を付けるか、その時に考える必要があると思っていますが、例えば、下期の収入が0となってしまった場合、35円は残念ながら下回る結果になると思います。そうならないように、我々は尽力するとご理解いただければと思います。

質問者6:それから不動産運営事業の税前利益に新型コロナウイルス感染症の影響が20億円あったということについて、不動産のサービス利益の運営事業の部分の収益はクォーターオンクォーターで50億円、イヤーオンイヤーで100億円下がっています。ということは費用の減少でかなり吸収したということですか?

矢野:それではこの件について、矢野よりご説明します。運営事業のどの数字を見ていただいているのか、把握できていませんが、サービサーの売却があったことが理由の1つです。また、運営事業は季節性が強く、もともと第4四半期は1年で1番悪い時期です。我々は、通常このクォーターだとこのくらいであるという数字との比較でお示ししているため、単純に決算書の数字からとは少しずれると思います。その点ご認識ください。

回答者:それから運営事業については、あくまでホテルや旅館、それから研修センター、水族館を言っているため、この不動産サービス収益というのは他にも入っていますでしょうか? もし詳細のご質問等ありましたら別途お電話をいただければ、もう少し詳しくご説明します。

質疑応答:配当について

質問者7:配当に関してですが、今年度は配当性向50パーセントが上限なのでしょうか? そうであれば、下半期に関しては、最悪の場合、配当の支払いが一切ない可能性もあるということでしょうか? 

回答者:そうですね、これがいわゆる我々の考えているワーストでのシナリオとなります。しかし、この最悪のシナリオを我々としては全力で回避したいと考えており、私としては、1,800億円の純利益をキープしたいと思っています。しかしながら、これもコロナの状況次第で、50パーセントという配当性向を本日私としてはコミットしたわけですが、半期の結果がわかった段階で中間期において、最悪の状況があった時には、このアイデアの調整を行なうかもしれません。

質疑応答:資産の減益要因について

質問者8:資料10ページの純資産の資産について、仮に2,000億円となる場合、20年3月期の3,000億円と比べ、どのビジネスが減益要因となるのでしょうか? 

回答者:減益要因になるのは運営事業、航空機、コンセッションの3つです。

質疑応答:格付け維持についての考え方

質問者9:コロナ問題を受けて、格付け維持の考え方は、これまで以上に重視されるのでしょうか?

回答者:重視していきます。現在のマーケット、それからコロナの問題が出たのかどうかはわかりませんが、S&P、ムーディーズ、それからフィッチと、我々の数字とは関係なしに、オートマティックにネガティブ落ちになってしまったということで、我々の流動性、その他についてはまったくなんら悪影響を受けていないにも関わらず、格付けがネガティブ落ちになってしまいました。

格付け維持については昨年の10月にも言いましたが、ベストエフォートでとにかくA格を維持したいが、最悪の場合、落ちてもしかたない、という考え方に変わりはございません。ただ、あくまでA格維持は我々の会社の社内目標です。

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