ランサーズ、売上高・売上総利益は過去最高水準 長期的な働き方変化による新規ニーズ創出に投資

2020年5月18日 20:02

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記事提供元:ログミーファイナンス

ランサーズ、売上高・売上総利益は過去最高水準 長期的な働き方変化による新規ニーズ創出に投資

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新型コロナウイルス感染症の拡大に関して

秋好陽介氏(以下、秋好):ランサーズの秋好と申します。ランサーズの通期の決算発表をさせていただければと思います。

最初に、この度の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に罹患されたみなさま、そして、それにより非常に困難な環境に置かれているみなさまに対して、心よりお見舞い申し上げますと同時に、新型コロナウイルス感染症に対して大変ご尽力されている行政当局や医療関係者のみなさまに深く感謝申し上げたいと思っています。

当社ランサーズのお客さまである企業と個人フリーランスの方の中にも、大きな影響を受けられているお客さまがいらっしゃいます。

ランサーズグループとしては、そのような方々に対して、しっかりとサービスによって価値提供することが1番の社会環境だと捉えていますので、サービスを通して社会貢献していきたいと思っています。

新型コロナウイルスに対するランサーズの取り組み

4月に入ってから、ランサーズとしてとくに大きな4つの取り組みを開始しています。まず1つ、突貫工事ではあったのですが、フリーランスの方向けに、キャンセルになったり報酬が減ったケースについてランサーズを通して簡単に休業支援金申請等ができるサービスをリリースしました。

中小企業に向け、とくに影響が大きい飲食店や、オンラインで販売ができてもなかなか集客が難しいリアルの店舗さま向けに、助成金の支援をしたりしています。

右上はランサーズだけの話ではありませんが、旅行業界や観光業界など影響が非常に大きな業界の社員の雇用を守る「シェアリングネットワーク」、いわゆるワークシェアに参画させていただき、ITの観光系ベンチャーであるアソビューという会社から5人のデザイナーを中心とした社員をランサーズに受け入れる取り組みをしています。

当社自身の取り組みは右下にあります。そもそも当社は、もとよりリモートワークを社内で推進しており、3月に入ってからは一段とリモートワークを推進していまして、ランサーズのメンバーの97.5パーセントが現在この瞬間もリモートワークをしています。

実際に社内アンケート等をとって、生産性やコミュニケーション増減をモニタリングしているのですが、今のところむしろオンラインの方が生産性や、会社への業務理解、お客さまへの価値提供が上がっている状況ですので、内容については引き続き注視しながら、しっかりと取り組んでいきたいと思っています。

会社概要

次が会社概要です。本日は説明しませんが、当社のミッションは「個のエンパワーメント」、当社のビジョンは「テクノロジーで誰もが自分らしく働ける社会をつくる」で、まさにリーマンショックが起こった2008年に起業しました。

おかげさまで2019年に東京証券取引所マザーズへ上場させていただきました。

そもそも、なぜランサーズがオンラインで働く人(に対するサービス)、オンラインで企業が仲間を作る(ことを手助けする)サービスを提供しているか説明します。

私自身、2005年当時に大学生で大阪にいるときにフリーランスとして東京のクライアントと一度も会わず、一度も電話せずにインターネットだけで仕事をしていて、時間と場所にとらわれない働き方は本当に素晴らしいと感じたという原体験があります。

一方、その後新卒で入社したITの大手企業では、社外にいるたくさんの優秀な個人に発注したいと思うものの、当時はインターネットだけで顔も見えない個人に発注することは難しいという状況でした。企業からのニーズがあっても発注できなかったのです。

そのような原体験を踏まえ、リモートでもセキュアに発注できるサービスを自分たちで構築できないか考えて企業したのが2008年です。

事業概要

5ページには実際にランサーズがどのようなサービスであるか掲載しています。非常にシンプルで、オンライン上で個人と法人がマッチングするシステムです。ただマッチングするだけではなく、発注から実際に納品し、報酬をお支払いして評価するまで、オンラインで完結するサービスになっています。

ビジネスモデル

形態としては、オンラインスタッフィングプラットフォームとクラウドソーシングという2つのモデルがあります。

クラウドソーシングは創業当時のビジネスで、仕事を発注すると不特定多数の顔が見えない匿名の複数の個人が仕事をしてくれるというモデルになっています。

対して、6ページの左図の決算説明資料を見ていただくと、オンラインスタッフィングプラットフォームは、匿名ではなく実際に氏名や顔写真が特定できる個人の方の情報があり、その方に一対一で仕事を発注します。オンラインですべて完結するオンラインスタッフィングプラットフォームを運営しています。

創業時はクラウドソーシングのみでしたが、現在は流通金額の9割以上がオンラインスタッフィングプラットフォームでやり取りされています。

270種類以上の仕事の依頼・受注が可能

実際にどのようなサービスが展開されているか説明します。今まではシステム開発やバックオフィスが伸びていると説明していました。もちろん現在も伸びてはいるものの、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、発注のジャンルがかなり大きく変わってきたと認識しています。

今までBPOセンターに依頼していた仕事を、ランサーズでセキュアにお願いできないか、例えばコールセンター、営業のアウトバウンド、インバウンドなどのような業務が非常に増えているという点が昨今の特徴だと認識しています。

新しい働き方に対する労働市場の変化

当社が所属するフリーランスのマーケットです。フリーランスと言っても、会社員の兼業・副業を含めて定義しています。政府による副業・兼業の推進や大企業の副業解禁といった流れを受け、フリーランス人口は増えていますし、直近1年以内にフリーランスを開始したという人も非常に増えているというのが新型コロナウイルス感染拡大前の話でした。

急遽訪れた働き方のニューノーマル

この2月、3月に、新型コロナウイルス感染拡大の状況を受け、我々も想像できなかったのですが、非常に急激に強制的なテレワークが拡大するという状況を迎えています。ニューノーマル、新しい常識と書いていますが、IT企業だけではなく、日本全国の約7割がテレワークを利用しています。

当社がもっとも注目しているデータは右のグラフです。強制的と申し上げましたが、実際にテレワークしている人の9割がテレワークを継続したいと希望しています。今週入ってきたニュースですが、アメリカのIT大手、Twitter社においては、今後も永続して希望する人に完全テレワークを推進していくそうです。永続的にテレワークを継続する企業は、今後は日本でもおそらく本当にたくさん増えていくと思っています。

アフターコロナの世界

Beforeコロナの状況でテレワークをしたことがある・している企業は10パーセント強でした。インターネットの普及率が10パーセント程度から70パーセント程度まで伸びるまでに約10年ぐらいかかり、スマートフォンは6年から7年ぐらいで普及率70パーセント以上という状況に持っていきました。

今回の新型コロナウイルス感染拡大により、テレワークはたった3ヶ月で、インターネットやスマートフォンが数年から10年をかけて成し遂げた大きなパラダイムシフトを起こしていると認識しています。

当社は、メディアの取材等で「完全にテレワークによって世界中で働いてプロジェクトを進めることができるようになるのはいつですか?」と聞かれることが多く、日本では少なくとも2030年にはそのような状況になるのではと話していたのですが、現状はまさに3ヶ月で2030年にタイムスリップしたような感覚を覚えています。

働き方の本質的なパラダイムシフト

それでは、テレワークだけが世の中を変えるのかというと(そうではなく)、とくに日本企業の働き方の転換にとっては、テレワークの普及はあくまでも最初の一歩でしかないと思っています。

11ページ左に書いてあるような、東京のオフィスに正社員だけが出社し、ヒエラルキー型の管理体系をとり、メンバーシップ型モデルを採用する会社経営方法が、ここから間違いなく抜本的に変革するというスタート地点に強制的に立たされていると認識しています。

例えば、テレワークが今後も間違いなく続いていくなかで、東京近郊の社員だけではなく、北海道や沖縄、果てはニューヨークに住んでいる社員も普通に採用できることになります。

遠隔のマネジメントをするとなると、Job Descriptionをフォーマット化しないと同じ会社の社員であってもなかなか仕事ができません。そうなってくると、社員でなくてもより優秀な社外のタレントがいれば、そのような方に発注するようになっていきます。

人材の定義が社員だけではなく、社外のタレントも企業経営のための有用な人材リソースになっていきます。

そうなると、今までのメンバーシップ型のように、会社のカルチャーがあって、仕事を丸投げしてとりあえずこなしていくというマネジメント、仕組みではなく、権限移譲型、ティール型のようなマネジメント、企業経営のモデルを採用しないといけません。ここまでの変化が、テレワークによって今後数年かけて一気に起こっていくと、当社は認識しています。

企業の価値観のパラダイムシフト

とくに人材にフォーカスしていくと、今まではオフィス×社内人材が主流でした。今までは会社に出社する社員だけが人材の定義でしたが、現在は中央の図のように、リモート社員が7割だという状況になっていくと思います。

さらにこの状況が進化すると、リモート×社外人材が会社の人材定義(野主流)になっていきます。当社として申し上げたいことは、図の左上から右下まですべての働き方を、企業も個人も選択できる時代になってくるということです。

スマート経営の日本企業への浸透

当社自身が数年前から人材の定義をアップデートしていて、出社できる・できないに関わらず、社員か社員じゃないかに関わらず、会社経営をしてきました。今この瞬間、当社の正社員として200人強の雇用契約メンバーがいるのですが、雇用契約していないフリーランスメンバーも800人ぐらいいます。それを表にしたのが左のグラフです。

実際的に年間平均30パーセント程度の売上成長を続けているのですが、その一方で人件費は横ばいになっています。

当社サービスの東京・地方比率が右のイラストですが、Beforeコロナの状態でも、発注いただく企業の60パーセントは東京所在であったものの、働いていただいている方の75パーセントは地方のユーザーでした。東京の仕事が地方に行くという、東京一極集中の真逆をこの10年推進してきたのがランサーズです。

Beforeコロナ、Withコロナ、Afterコロナについてお話ししてきました。新型コロナウイルス感染拡大自体は早々に収束に向かってほしいと願う一方で、当社の働き方、もしくはテレワークに基づく本質的な日本企業の働き方改革は、間違いなく、選択の余地なく強制的に進んでいくでしょう。

それは、ひいては当社が今まで行なってきた価値提供において、非常に大きなチャンスが急に到来したということだと思っています。

今まで当社が企業に提案しても進めにくかったところについて、一気にボトルネックがなくなったというのが経営者としての率直な感覚です。

最初に「スマート経営®」に取り組んできた者の責任としても、この機会をしっかりとつかみ、当社の体験を、ビジネスとしてではありますがシェアすることで、日本の経営課題解決に大きく貢献したいと思っています。以上が、冒頭にお話しした市場環境の変化です。

次に、昨年1年間の通期業績と第4四半期の業績について、CFOの小沼より説明します。

企業価値の源泉とKPI

小沼志緒氏:CFOの小沼です。私から業績結果についてご報告します。

16ページには企業価値の源泉となる主要KPIを記載しています。この後の業績については、このKPIに沿うかたちでご説明します。

2020年3月期通期業績 サマリー

それでは通期業績のサマリーです。流通総額は前年対比で26パーセント増加となる81億円、売上高は38パーセント増加となる35億円、売上総利益は21パーセント増加となる18億円というかたちで着地しました。それぞれ過去最高の水準です。

第4四半期については、すでに新型コロナウイルス感染症の蔓延が進んでいた状況ではございましたが、当社の通期の成長トレンドと同じかたちの成長率で着地しています。

この後ご説明しますが、第1四半期および第4四半期において、マーケティング&セールス強化のために投資を行なってきました。こちらの追加投資分を除くと、第4四半期についても黒字を確保しており、筋肉質な構造になっていると考えています。

主要KPIと申し上げたクライアント単価については、非常に好調に推移しており、前年対比で24パーセント増加しています。

業績の推移 (連結)

詳細について説明します。まず、業績の推移です。流通総額・売上高・売上総利益について、それぞれ過去6年間の推移を載せています。平均的に約30パーセントの成長を実現してきています。

2020年3月期通期業績

次に、通期の業績の詳細を載せています。トップラインについては先ほど申し上げたとおりですが、右側にある通期業績予想対比の結果について補足すると、当社がIPO時に発表した通期業績予想を、概ね達成できております。

また、営業損失については当初5億1000万円の赤字を予定していましたが、マーケティング&セールス強化のための投資を、費用対効果に応じて厳選した結果、3億700万円の営業損失まで縮小しています。

2020年3月期第4四半期業績(単四半期)

第4四半期の業績についてです。第4四半期は、マーケティング&セールス投資を行なったため販管費が増え、営業損失が1億3,600万円出ているという状況です。

トップラインについては先ほど申し上げたとおり、きちんと成長率を維持した水準で着地しています。

財務基盤の状況

次に、財務基盤の状況です。当社は昨年の12月に東証マザーズにIPOさせていただき、そこで10億7,000万円を資金調達させていただきました。その結果、自己資本比率は54.5パーセントとなっており、自由に使える手元資金は14億円確保できています。当社としては、財務健全性は盤石な状況であると考えています。

流通総額の推移 (連結)

次に、四半期ごとに3年間の流通総額の推移を載せています。流通総額は前年対比26パーセント増加し、81億1,400万円で着地しています。

売上高の推移 (連結)

また、売上高の推移についても同様に載せています。当社はサービスごとに売上の計上基準が異なっており、第4四半期にグロスで計上されるサービスの売上が増加する傾向があります。そのため、四半期ごとに若干でこぼこしている状況ではありますが、順調に推移しています。

売上総利益の推移 (連結)

また、売上総利益の推移も同様に記載しており、前年同期で20パーセント増加というかたちで推移しています。

販管費の推移 (連結)

販管費の推移です。先ほど申し上げたとおり、第1四半期および第4四半期において、マーケティング&セールス強化のための投資を行なったため、投資をした四半期においては販管費が約6億5,000万円となっていますが、それを除く第2四半期・第3四半期については前年対比で横ばいの水準まで落としてきているため、コストを非常に上手にコントロールしている状態が見て取れるかと思っています。

それを利益に転換したのが次のページです。

売上総利益と営業利益の推移 (連結)

第1四半期では約2.7億円の追加投資を行ないました。第4四半期では約2億円の追加投資をしたため、第4四半期についてもその追加投資分を除けば、約5,000万円の黒字が確保できているという状況です。

クライアント数・クライアント単価の増加

最後に主要KPIの推移について説明します。冒頭に申し上げたとおり、クライアント単価については非常に順調に推移していまして、前年対比で24パーセント増加となっています。

一方で、クライアント数については、約3パーセントの微増というかたちで着地しています。この要因について、次のページで補足します。

OS領域のクライアント数の増加

先ほどご説明しましたが、当社はクラウドソーシング事業とオンラインスタッフィングプラットフォーム事業の2領域で事業運営を行なっています。トレンドとしては、比較的単価の低いクラウドソーシング領域において、クライアント数が年々減少しています。

一方で、注力しているオンラインスタッフィングプラットフォーム領域では、順調にクライアント数が拡大しています。こちらは当社の戦略どおりの結果となっているため、当社としては同じようなトレンドで推移を続けていきたいと考えています。

以上が2020年3月期の通期業績の概要です。

続きまして、2021年3月期の方針について、取締役の曽根よりご説明します。

今期の戦略方針

曽根秀晶氏:みなさま、こんにちは。ランサーズ取締役の曽根です。私から2021年3月期の戦略方針に関してご説明します。

今期の戦略における重要指標は、変わらずクライアント数×クライアント単価です。ただし、今期はさらなる収益の創出にも取り組んでいきます。それぞれご説明します。

まず1つ目、クライアント数の拡大については、前期においてのマーケティングの方針をさらに進化させるかたちで、企業のブランド認知だけではなく、サービスコンセプトとして、冒頭秋好から説明させていただいたような「スマート経営Ⓡ」の認知浸透に取り組んでいきます。

2つ目、クライアント単価の向上に関しては、先ほど小沼からご説明させていただいたとおり、前期は非常に好調な推移でございました。今期はこれを受けて、基本的な方針は継続しまして、エンタープライズを軸にした大企業へのセールスをさらに強化していきます。

3つ目、さらなる収益の創出については、市場変化が大きく行なわれていく中で、新たに生まれてくるクライアントニーズを見込み、新サービスを開発・リリースしていきたいと考えています。それぞれ3つについて、簡単にこれからご説明いただきます。

今後の戦略方針①

まず1つ目、「スマート経営®」の認知浸透に関してです。働き方の本質的なパラダイムシフトが起こっていくなかで、ランサーズとして「スマート経営®」を商標登録し、サービスのコンセプトとして定義しています。

これを通し、クライアント企業に対して、社外人材を活用した事業スピードの向上、イノベーションの向上、リスクコントロールの強化、コストの最適化のような経営メリットを提供価値として訴求していきます。

ランサーズ自身も「スマート経営®」を実施してきましたが、ここに挙げているような「スマート経営®」を実際に実践されているクライアントの事例を蓄積し、発信していくことで、さらなるクライアントの獲得を加速していきたいと考えています。

今期の戦略方針 ②

続きまして2つ目は、大企業へのセールスです。昨年リリースし、導入して進めてきた新サービスのエンタープライズを軸に、ここに挙げている本田技術研究所のような大企業の新規開拓が進んできています。

これに関しては継続しつつも、今後は新規開拓だけでなく、大企業の中の部門間でサービスを展開し、利用を拡大することを目的に、大企業担当のアカウントセールスをつけることで、アップセルを図っていきたいと考えています。

今期の戦略方針 ③

続きまして、新サービスの開発についてです。市場の大きな変化に伴い、オンラインでのリモート環境で業務を行なっていく上で、働き方に関する新たなクライアントのニーズが急速に広がってきていると当社は考えています。

例えばここに記載しているように、リモートワークを妨げる電話取次について、フリーランスを活用した代表電話の代行サービスを直近でリリースしており、非常に好調な引き合いが続いています。

このサービスもランサーズでこれまで長くリモートワークを実践してきたなかで蓄積した知見を活かしてリリースしたものですが、今後もこのように市場のニーズにフィットした新サービスを続々と市場に投下していきます。

私からの今期の戦略方針に関しては以上です。続きまして、新型コロナウイルス感染症の影響に関してCEOの秋好より報告します。

当社グループサービスへの短期的影響

秋好:新型コロナ感染症の短中期への影響と、今後の業績の考え方について報告します。まず、足元でランサーズのサービスに何が起こっているか説明します。

端的に言うと、新規フリーランスの登録数も新規クライアントの発注数も、今までにないレベルで急激に増えているというのが現状です。

とくにフリーランスの登録者に関してです。投資は主にクライアントに向けて行なっておりまして、個人の登録はオーガニックですが、とくに4月に入って緊急事態宣言によって仕事が少なくなってしまった方や、在宅で仕事ができると考えたホワイトカラーの登録者が増えています。

企業からの発注問い合わせ数に関しては、実はアップサイドとダウンサイドがあります。

まずダウンサイドに関しては、リアルで店舗等を構えられている業種の、例えば、看板、名刺、チラシのデザインは、この状況ではお控えになっているケースが多く、減っています。

逆に、先ほど申し上げたBPOの仕事のように、実際に場所に行かないと出来なくて、かつ欠かすことが出来ない仕事に関するお問い合わせは多くいただいており、現在いろいろと商談させていただいている状況です。

直近の業績推移

緊急事態宣言後の2020年4月業績で、まだ監査されている数字ではないため、当社の社内のKPIベースでの数字になります。

売上高、売上総利益ともに順当に成長していると考えていますが、一方で4月に入って特定の業界業種からの発注の減少がありました。また、今まで商談を進めていたものの、緊急事態宣言が終わってから商談を再開させてほしいというケースも4月に出てきています。

新型コロナウイルスの影響

中長期的に見ると、ランサーズとしてはかなりアップサイドが多いと思っています。

今までの経営スタイルがガラッと変わっていくなかにおいて、ランサーズ社自身にもかなりの知見がありますし、これだけ優秀な社外人材に登録いただいているサービスも他にはないという競争優位もあると思っています。

今のサービスだけでも、フリーランスも増えると思いますし、企業の発注量も増えると思っています。

さらにプラスして、社員と社外のフリーランスが競争して働き、企業経営をしていくなど、今までランサーズが提供していなかったような近接した新規のニーズがあると思っています。先ほど説明した電話代行サービスもそうですし、新規のプロダクト事業に対するアップサイドも相当あると思っています。

一方、短期に関しては既存のクライアントからの発注減、営業の悪化、もしくは商談のペンディングが足元で実際に発生しているということも事実です。

以上を受けて、来期の業績について考え方をお話しさせていただければと思っています。

今期の業績予想について

当社として、アップサイドも十分にあると認識しており、今期は筋肉質な黒字体制を作ってきたため、黒字化することでアップサイド機会を捕獲した上で、新型コロナウイルスの影響下においても例年通りの成長率・CAGRを維持したいと思っています。

一方で、現時点ではどのくらいのアップサイドなのかまだ見えないということと、緊急事態宣言を含めたその後のダウンサイドもまだ十分に予想できない状況があるのが事実です。

通期業績についてはそれらが見え次第速やかに開示するという方針でいきたいと思っています。

第1四半期はすでに1.5ヶ月経過して、業績予想についてもかなり見えているため、前提条件を定めた上で開示したいと思っています。

主な前提条件は以下の2つです。既存の、特にクライアントさまの経済活動縮小がこのまま継続するという点が1点。

2点目は、アップサイドに関しては売上化されるまでリードタイムも必要であり、どれぐらい影響があるか見えないのが正直なところであるため、当第1四半期には織り込まないという点です。

2021年3月期第1四半期業績予想

以上の前提を表示したのが40ページです。

①について、当社で、新型コロナウイルス感染拡大が起こる前に第1四半期について立てていた計画の売上高は9億1,300万円です。新型コロナウイルス感染拡大の影響を加味した上で売上高8億3,000万円と、9.2パーセント変更を加えたのが①になります。

一方➁についてですが、ダウンサイドのリスクを考え、アップサイドを織り込まない状況においても、売上高、売上総利益ともに昨年と比べとしっかりと成長するとは見込んでいます。

最後に③について、通期での黒字化は、体制を筋肉質にしていくという意味でも非常に重要だと捉えていますので、黒字化の方針という前提はあるのですが、一方第4四半期に行なったクライアント投資の中で非常に効果的なものは、中長期を考えると継続すべきだと思っています。

新しいニーズに対して適切なプロダクトを当てられればきちんと売上につながると見ており、外注費を中心に開発の投資を継続していきたいと考えているため、第1四半期に関しては営業損失という見込みになっています。

中長期戦略

基本的には、IPOのときにシェアした社外タレントに対するサービス提供であるオンラインスタッフィングプラットフォーム×大企業向けの商品・Enterpriseをしっかりとプロダクトマーケットフィットさせて、マーケティング&セールスをさらに加速することで、間違いなく成長基調で伸ばしていけると思っているため、中長期の方針も継続した戦略とさせていただきたいと思っています。

一方、1つだけアップデートがあるとすると、当初考えていたスコープよりもさらに大きなスコープでのニーズがこれから拡大していくということは、肌感として非常に強く感じているため、しっかりとそのニーズに合致するプロダクトを開発していきたいと考えています。

今まで、ベンチャー企業を起業する人はほとんどがフリーランスで、オフィスを持っていない方が多いと聞いていましたが、Afterコロナの世界における働き方変革ではベンチャー企業だけではなく、日本の中心にいる大企業も含めて、働き方が間違いなく大きくパラダイムシフトすると思っています。

ランサーズが過去大きく成長したのは、東日本大震災の半年後の夏あたりでした。帰宅難民になった方・被災された方々がどこで働くのか・誰と働くのかと考え直す機会となり、ランサーズに発注・登録されるユーザーが大きく伸びました。

今回も同じように、いや、震災の時以上に働き方について考え直す機会になっていると思っており、ランサーズとしてしっかりと新しいパラダイムシフトに対して、これまで以上の価値提供していきたいと考えています。

ミッション

当社としては、そこで今まで行なってきたものが非常に活きると思っていますし、競争優位もあると思っていますので、戦略もアップデートしながら、個人に対して自由な働き方を提供し、個人のエンパワーメントを加速して成し遂げていきたいと考えております。

私からの説明は以上となります。

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