介護業界の老舗が純粋持ち株会社に移行した理由

2020年5月8日 12:17

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 SIホールディングス(7070、以下SIHD)は昨年10月1日に、やまねメディカルに関して、株式移転方式により傘下に4企業が連なる純粋持ち株会社として再スタートを切った。やまねメディカルは、介護業界の老舗格の1社である。純粋持ち株会社移行への意図は、何だったのか。

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 初の決算となる今3月期は(単純比較は避けるべきだろうが)、やまねメディカルの前3月期比「11.9%増収(80億8600万円)、43.6%営業増益(5億1700万円)」計画。開示済みの4-12月期時点でのそれぞれの進捗率は「74.6%、69.8%」と順調。

 やまねメディカルは2002年6月に、「デイサービス」で斯界に進出した。その後、サ高住との2本柱(併設を含め)で存在感を示してきた。第3クオーター末時点の施設数は、「なごやかレジデンス」ブランドのサ高住68箇所/「かがやきデイサービス」ブランドのデイサービス施設68箇所/「ホームケアセンター」ブランドのFC方式のデイサービス施設20箇所/「なごやかケアプラン」ブランドの居宅介護支援事業所4箇所。

 では純粋持ち株会社移行の意とするところは何なのか。他の傘下企業3社の事業から、それは読み取れる。

★八重洲ライフ: 「究極の和食」と銘打った介護施設向け食事「にこ楽パック」の配送販売が主軸。東北大学の都築毅准教授研究チームからの「健康寿命を促し、生活習慣病にも効果が期待できる」とするお墨付きを得ている。

★山静建設: 介護福祉施設の設計・建設の監修で実績。浴槽・洗面台・キッチン・家具・什器等の販売を手掛ける。

★キャリアアップ: 介護・看護人材の紹介・派遣事業。

 介護業界に詳しいアナリストは「サ高住の営業強化で入居率高水準。伴い併設のデイサービスの稼働率の改善が進んでいる」としたうえで、「サ高住の新設(今期15/前期1)負担を懸念する向きもあるが好財務(利益剰余金約13億6000万円に対し有利子負債ゼロ)や八重洲ライフの取引先拡大、注力中の施設向け日用品販売増などを勘案すると伸長傾向と捉えてよい」とした。

 言い換えれば介護業界も大手他業態資本の参入⇔競争激化状況下で、生き残りの有無が突き付けられている。持ち株会社への移行は、前記3社のシナジー効果でやまねメディカルの止揚を意図したものと言える。

 最新版の会社四季報は業績欄の見出しを【伸長】とし、21年3月期を「11.2%増収(90億円)、25%営業増益(6億5000万円)」と独自予想している。(記事:千葉明・記事一覧を見る

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