企業と安定個人株主を仲介する企業、登場

2020年4月29日 17:28

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 昨年12月17日、時流を反映する企業が東証マザーズ市場に上場した。ウィルズ。マーケットはこのIPOを好感した。公開公募価格960円に対し買い注文が殺到し、17日は買い気配を2206円まで切り上げ商いは成立せず。初値は翌18日、4535円。20年間余りIRコンサルタントに携わってきた杉本光生CEOが2004年に立ち上げた企業である。

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 杉本氏はウィルズのコンセプトを「投資家と企業の企業価値向上の応援」としている。主軸事業は以下の2部門。

★IR-navi事業: インターネットを介して、(会員)事業会社と機関投資家を結ぶ情報インフラの展開。杉本氏が長らく携わってきた「IR事業」の延長線上の施策。

★プレミアム優待倶楽部: 株主優待商品交換サイトの運営。会員企業の株式を登録済みの個人株主が取得すると、株主優待ポイントが付与される。例えば100万円分の株式を一定期間保有すると1万2000円分のポイントが付く。複数の会員企業の保有株式数に応じたポイントの合算が可能。ポイント数に応じ投資家は、所定の約3500点の商品のうちから「これを貰おう」という枠組み。

 とりわけ後者の事業に興味を覚えた。前12月期末の契約会員企業数は前年同期比17社増加し43社。この事業から得る収入は企業からの優待ポイント手数料と、関連システム手数料。

 周知の通りコロナウイルス禍もあり、個人の金融資産は「預貯金/タンス預金回帰」が指摘されている。だが逆に言えば諸々の角度・視点から「個人安定株主」が欲しい上場企業にとっては、配当と並び重要となっているのが「株主優待策」。

 実施する企業は増加傾向を強めている。昨年末時点で(82社増)1450社(全上場企業の38%強)に至っている。その意味でこの枠組みは、極めて重宝。

 杉本氏は上場による資金調達の理由として、こう語っている。「新興市場がこれまでの主戦場だったが、東証1部の企業も積極的に会員化を進めていく。そのために個人株主会員を一気に増やすためにアプリの開発に充当する。2000万人投資家と言われるが、プレミアム優待倶楽部の会員は増加傾向とはいえ10数万人程度だ。まだまだ少ない」。

 ちなみに企業は安定個人投資家を確保するためにどんな行動にポイントを提供したいかを密に情報交換し、例えば議決権を行使すると1000ポイント貰るなど「自由な設計」が可能になっている。

 上場直後の初決算となった前12月期は「54.4%の増収、181.7%の営業増益、65.4%の最終増益、(早々の)10円配当」。今期も「11.7%の増収(20億300万円)、13.1%の営業増益(3億5100万円)、19.2%の最終増益(2億4000万円)」計画。

 企業と安定個人株主のマッチング策というビジネスモデルに、興味を覚える。(記事:千葉明・記事一覧を見る

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