初心者投資家もベテランも「配当貴族指数」のススメ【日本株】【米国株】

2020年4月22日 07:31

印刷

 コロナショックで世界的に株式市場が混乱している状況だからこそ、投資初心者もベテランも参照して欲しい指数として「配当貴族指数」がある。「配当貴族」とは、毎年配当を増やしている企業を指す言葉で、配当貴族銘柄は、言うなれば「連続増配している銘柄」と言い換えることができる。

【こちらも】恐怖指数(VIX)連動銘柄のススメ

 配当貴族指数として有名なのは、S&Pダウ・ジョーンズ・インデックスが算出している「S&P500配当貴族指数」だろう。S&P500構成銘柄のうち、25年間連続して毎年増配している優良大型株のパフォーマンスを測定している。

 日本の配当貴族銘柄をまとめた指数の「S&P/JPX 配当貴族指数」は東証株価指数(TOPIX)内において、10年以上にわたり毎年増配をしているか、または安定して配当を行っている配当利回りの高い企業のパフォーマンスを測定する指数だ。

 米国、日本でも配当貴族指数は、TOPIXやS&P500等の有名指数と比較しても、パフォーマンスが高いことが知られている。本来、連続増配をする企業は経営基盤が盤石であることが多く、市場の調整局面でも高い配当利回りのおかげで株価が下落しづらい。リスクを抑えて、中長期的に配当と値上がり益を追い求める王道の投資スタイルには、配当貴族指数を中心に銘柄選定をすることが肝要と言われている。

 例えばS&P500配当貴族指数採用銘柄コカ・コーラの直近の配当利回りは3.41%で、ここ数年は平均すると3%以上の配当利回りを記録しており、四半期に一度配当があるので権利落ち等をさほど気にしなくても良いのが魅力でもある。株価はコロナ相場の影響で60ドル付近から40ドル前後に調整している(2020年4月20日現在)。

 例えば、2010年にコカ・コーラに投資をしたと仮定すると20ドル前後での買い付けになるので、10年間株式を保有している場合にはコロナショックによる調整を挟んでも単純に株価は倍近くになっている。おまけに約3%の配当を10年間受け取っているのでインカムゲインも相当なものだ。

 このように配当貴族指数は中長期で投資対象となるような銘柄の選定にも役立つ。組み入れ銘柄を個別の投資対象銘柄として検討するのも良いだろう。もちろん、貴族配当指数に関連する投資信託やETFを買い付けるのも一つの手である。コロナショックで不安定な相場が継続しているが、安く買えるうちに配当貴族銘柄を買い付けて長期保有し育てることを検討する良い機会なのかもしれない。(記事:高木祐二・記事一覧を見る

関連キーワード

関連記事