ハイブリット型バーチャル株主総会開催へ動き、緊急事態宣言を受けて

2020年4月10日 08:17

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 東京証券取引所などを運営する日本取引所グループは、2020年3月期決算の上場会社の内、およそ6%がハイブリット型バーチャル株主総会の開催実施を検討しているとの調査結果を発表した。

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 本来の調査締め切りは4月17日までだが、新型コロナウイルス感染症が株主総会に与える状況の早期把握を目的とし、速報版として4月7日までの結果を取りまとめ、発表した。この内容を含む最終的な調査結果は、日本取引所ホームページにて4月20日に公表される。

 ハイブリット型バーチャル株主総会とは、経済産業省が2020年2月26日に実施ガイドを策定し、発表したもの。経産省では、「取締役や株主等が一堂に会する物理的な場所で株主総会(リアル株主総会)を開催する一方で、リアル株主総会の場に在所しない株主がインターネット等の手段を用いて遠隔地から参加、出席することができる株主優待」を、同株主総会の定義と位置付けている。

 本来その開催趣旨は、遠隔地に在所する株主との対話を目的としていた。しかし、昨今の新型コロナウイルス感染症の世界的な影響により、ついに日本でも「緊急事態宣言」が出される事態となったこともあり、感染予防策の一環として開催を検討している上場会社もあるという。

 ハイブリット型バーチャル株主総会開催を検討している6%の上場会社の内、参加型の開催を検討している会社は約5%、出席型を検討している会社は約1%。

 またこれ以外でも、コロナウイルス感染症対策として各社様々な対策を練っている。主な対策として、「出席株主に対するマスク着用の要請、および、役職員のマスク着用」「会場における消毒液の設置」などが挙げられている。

 また同調査によると、回答を得た内の5%程度が定期株主総会の延期を含めて検討中であるということもわかった。なお、定款で定められた定期株式総会が開催できない場合には、開催できない理由が解消された時期に、改めて開催すれば足りるものとされている。(記事:大野 翠・記事一覧を見る

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