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AI「顔認証システム+体温検知」で新型コロナ感染拡大を阻止 問題は人権
データスコープが発表した顔認証による体温検知ができるカメラ・入退館システム(画像: データスコープの発表資料より)[写真拡大]
AIによる顔認証システムと、体温検知サーモグラフィーを組み合わせ、新型コロナウイルス感染者を検知できるシステムが思わぬ盛況ぶりである。データスコープ(東京・中央区)が、「複数の人の体温を同時に検知できるシステム」を開発し提供することを2月下旬に発表したところ、反響を呼んでいると言う。
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確かに、「顔認証システム+体温検知」を組み合わせると、受付業務の場面で「発熱者」をスムーズに検知することが出来る。空港検疫などでは高精度のこうしたシステムが使われているが、顔認証の他の働きを合わせると様々な用途に応用できることになる。例えば、店舗などで万引き常習犯などを見分けるなど、用途は広がる。
しかし、発熱者を検知するだけで新型コロナウイルス感染者を全て検知できるわけではないため、感染拡大を防止するシステムとしては有効性に疑問がある。MERSやSARSの感染者の場合は、症状が出てから感染力を持つとされてきたため、現在もその知見によってCOVID-19(新型コロナウイルス)に適応しているのだが、これでは新型コロナウイルスの感染拡大は止められない。企業の入館ゲートでこのシステムを使用しても、無意味とは言わないが実効果があるかは疑問だ。
しかし、このシステムは応用が広く、日本でもいよいよ顔認証システムで管理されることが普通に行われるようになるのであろう。中国のシステムにおいては、「個人情報」を国家が握ることとなり「人権侵害」が起きる可能性が高いのだが、それは中国の国家の在り方が問題だ。
日本では悪用はすぐには始まらないと考えたいが、残念ながら自覚のない管理者が数多く存在することも現実で、やはり人権に配慮することを忘れてはならない。こうした顔認証と結び付けたシステムを構築する場合、真剣な議論が必要だ。
このような技術について、単純に最先端技術を駆使するIT技術者だけで開発するのではなく、政治家・法律家・人権擁護活動家など、各方面の専門家を動員して開発を進める必要がある。これを日本国家で制度化して、悪用を防止するシステムとしておくことが必要だ。
IT技術者の弱点でもある「猪突猛進(ちょとつもうしん)」を諫め、IT技術の使い道の「社会との整合性」に注意したい。現在のITシステム開発で最先端開発技術でもあるこの分野において、最大の問題は「人権」であるからだ。(記事:kenzoogata・記事一覧を見る)
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