下落する商品先物取引市場 現状と今後について

2020年3月24日 12:06

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 新型コロナウイルスの影響により世界的に株価が下落するなか、商品先物取引市場も大きく値を下げている。本来、金や燃料、穀物といった「商品」は、株価が下がったときにこそ値上がりする投資資産だと考えられてきた。では今回、商品の価格が株価と同じように下がっているのには、どのような理由があるのだろうか。

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■商品は有事に強い資産といわれる

 商品先物取引は、貴金属や燃料・農作物などの「商品」を投資対象とする。具体的には、金や銀、原油、ゴム、大豆、コーン、小麦などだ。これら商品は、有事に強い資産といわれてきた。実体がない株式や債券よりも、実物がある商品の方が投資対象として確実である、という安心感からである。

 実際に、新型コロナウイルスの影響により世界各国の株価が下がり始めた2月20日時点でも、商品先物取引市場の価格は上昇を続けていた。

■なぜ商品取引市場の価格が下がったか

 しかし2月の下旬からは、商品先物取引市場の値動きは重くなった。そして、3月10日ごろには大きく値下がりしたのである。

 商品先物取引の価格が下がった原因として考えられるのは、市場の先行き不安により、資金を現金に戻す投資家が多かったことだろう。今後に備え、リスクがある資産よりも、より確実な現金を手元に置きたいと考えたためだ。

 その結果、現金を確保する手段のひとつとして、株だけでなく、商品も売られることになったのである。

■今後は商品の種類により値動きが変わる可能性も

 それでは、商品先物取引の今後の値動きはどうなるのか。

 ニューヨーク先物取引では、3月20日の原油価格が、2002年2月以来の価格に下落するなど、市場の冷え込みは続いている。新型コロナウイルスの終息が見えない現状では、今後も重い展開が続くだろう。

 しかし米国小麦先物取引に限っていえば、3月18日以降、急激に価格が上がってきた。これは、欧米でコロナウイルスの感染が広がったことによるパンやパスタの需要の高まりが、原因のひとつと考えられる。

 今後は、商品の種類により値動きに差が出ることを念頭に置いて、商品先物取引市場の動向を注視したい。(記事:yamamoto・記事一覧を見る

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