NYの視点:米国債相場はすでにリセッションを織り込み済み

2020年3月17日 09:25

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記事提供元:フィスコ


*09:25JST NYの視点:米国債相場はすでにリセッションを織り込み済み
米連邦準備制度理事会(FRB)は景気後退を回避するため緊急利下げでゼロ金利政策、7000億ドル規模の大規模資産購入プログラムを発表した。しかし、経済指標は経済がすでに景気後退入りをしたことを示唆する兆候が出ている。米国の3月NY連銀製造業景気指数は‐21.5と、2019年6月以来のマイナスで米国経済の景気後退時2009年3月来の低水準となった。2月の12.9から34.4ポイントの下落で、下落幅は過去最大を記録。新型肺炎による影響があらわれた初めての指標となる。米国株式相場は史上最高値から30%近く下げる弱気相場入りで、歴史的にも弱気相場は景気後退で終わると言われている。

■米国の3月NY連銀製造業景気指数

景況指数:‐21.5(2月12.9、6カ月平均0.9)
仕入れ価格:24.5(25.0、23.3)
販売価格:−9.3(22.1、4.7)
新規受注—9.3(22.1、4.7)
出荷:−1.7(18.9、8.9)
入荷遅滞:2.2(8.3、−1.0)
在庫水準:5.8(12.9、2.2)
受注残:1.4(4.5、−5.2)
雇用者数:−1.5(6.6、6.7)
週平均就業時間:−10.6(−1.0、−0.1)

6カ月先

景況指数:1.2(2月22.9、6カ月平均18.6)
仕入れ価格:34.5(37.9、40.1)
販売価格:17.3(22.7、24.3)
新規受注:17.6(27.5、26.1)
出荷:20.5(26.5、25.2)
入荷遅滞:0(3.0、1.6)
在庫水準:5.8(−8.3、3.9)
受注残:2.2(1.5、3.6)
雇用者数:10.2(15.0、12.6)
週平均就業時間:3.6(8.3、6.0)

CNBCの調査では回答者の67%が景気後退を予想。1月調査では41%だった。ゴールドマンサックスは米国経済の活動がほぼストップするため米国の第2四半期国内総生産(GDP)が5%マイナス成長を見込んでいる。

■米国2020年経済見通し(中間)

Q1:+1.1%
Q2::−1.8%
Q3:+0.2%
Q4:+2.1%

ただ、米10年債利回りは9日に0.543%まで低下し過去最低となったのち、米国株式相場が一段と下落する中、下げ止まっている。米国債相場は景気後退をすでに織り込んだとの見方もある。《CS》

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