従来比5倍で赤色発光するレアアース分子を開発 北大

2020年1月15日 16:59

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開発されたレアアース分子が発光する仕組み(写真:北海道大学の発表資料より)

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 ディスプレイや照明器具等で活用される発光体。北海道大学は14日、従来より5倍で赤色発光するレアアース分子の開発に成功したと発表した。

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■発光体に応用されるレアアース

 エネルギーが光へと変換される物質が、蛍光体などの発光体だ。そのなかでも、電子産業で長年使用されてきたのが、無機材料を活用した蛍光体だ。一方、有機EL(エレクトロルミネッセンス)に代表されるように、有機材料を活用した発光体が注目を浴びている。

 北海道大学の研究グループは、「レアアース分子」と呼ばれる有機分子とレアアース(希土類)から構成される発光体の開発に取り組んでいる。ネオジウムやイットリウムなどの希土類に有機分子を組み合わせた希土類錯体は、赤色や緑色などの鮮やかな発光を示すことが知られており、研究が盛んだという。

■ナノカーボンを活用したレアアース発光体

 研究グループは、ナノカーボン構造を導入した新型レアアース分子を開発。カーボンナノチューブやグラフェンなど、微小な炭素物質であるナノカーボンは、強くて軽く、電気や熱を通しやすい。そのため、この特性を活かした素材が生み出されている。

 レアアース分子を発光させるためには、青色LEDを照射する必要があるが、ナノカーボンは青色光を集めるアンテナの役目を果たすという。

 研究グループによると、新型ナノカーボン構造を導入したレアアース分子は300度を超える熱に対しても耐久性をもつため、LEDデバイスにも搭載可能だという。また新型ナノカーボンは青色光を集光し、エネルギーを効率よくレアアースに渡すことができるため、新型レアアース分子は従来比で5倍以上の発光が実現した。

 今後は、新型レアアース分子の機能をさらに高め、産学間の連携を強めることで、さまざまな分野への応用を目指すとしている。

 研究の詳細は、Communications Chemistry誌にて3日に掲載されている。(記事:角野未智・記事一覧を見る

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