【どう見るこの相場】「ミドルリスク ミドルリターン」の小型材料株に絞って仕切り直しへ

2020年1月14日 10:37

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

■新春相場第2週目は「ミドルリスク ミドルリターン」スタンスの小型材料株に絞って仕切り直し

 小林一茶が、俳句に詠んだように『めでたさも 中くらいなり おらが春』と願いたいものである。『中くらい』を英訳すると「about average(平均並み)」となるそうで、株式投資でいえば「ミドルリスク ミドルリターン」となる。「ハイリスク ハイリターン」の高望みではなく、もちろん春先から物足りない「ローリスク ローリターン」でもない。

 とにかく大発会以来この1週間、忙しすぎたからだ。米国のトランプ大統領が、トンデモないお年玉を用意していたものだから、世界のマーケットが大揺れに揺れた。イランの革命防衛隊の司令官を殺害して、米国とイランとの軍事緊張が高まり、中東の地政学リスクを懸念して原油価格と金価格が急伸した。つれて防衛関連株の細谷火工<4274>(JQS)や金価格関連の商品先物会社のフジトミ<8740>(JQS)などストップ高する銘柄が続出し、資源株の国際石油開発帝石<1605>(東1)なども急騰した。ところが報復したイランの米軍基地へのミサイル攻撃が限定的にとどまり、相互に武力行使を回避する意向を示したことから、一転して軍事衝突懸念が後退し、今度は、細谷火工、フジトミなどはともにストップ安してしまった。ただこのストップ安で終わりかといえば、今後の中東の偶発事態次第では復活の目も残るのが「ハイリスク ハイリターン」銘柄の厄介なところである。

 この地政学的リスク関連株に入れ替わって表舞台で脚光を浴びたのが、アップル関連の半導体株や設備投資株である。代表が、今2月期第3四半期(3Q)決算を発表した安川電機<6506>(東1)である。3Q業績自体は、連続2ケタ減益となったものの、3Q受注高の減少率が第2四半期の減少率より縮小したとして4%超も急伸して昨年来高値を更新した。この減少率縮小買いは、来期業績回復を示唆するとして目先の減益決算には目をつぶっているもので、本当にそうなのか、今後発表がスタートするハイテク株の決算動向での確認を待ちたいところである。さらに「赤信号 みんなで渡れば恐くない」とはいうものの、1年も先の業績期待を先取りすることは、やや時期尚早の一面は否定できずやはり「ハイリスク ハイリターン」の部類に属する。

 新年相場は、始まってばかりである。松の内も明けないうちのいきなりの勝ちか負けかの短期決戦、切った張ったのエンジン全開には、ついていけない投資家は少なくなかったはずだ。この先長い1年間、新年早々に燃え尽き症候群に陥らないためも、15日に第1段階の合意文書の署名式を行う予定の米中貿易協議にしろ、米国・イランが絡む中東情勢にしろ、もう少しゆっくり瀬踏みをして相場の方向性を見極めたいとするするのが、極く普通の投資家心理というものである。そこで徐々に新年相場への足慣らしをする「ミドルリスク ミドルリターン」の投資スタンスが浮上してくることになる。ただそんなに好都合な「中くらい」銘柄があるのか疑問が生じるのも当然である。ところがそのほどほどの「ミドルリスク ミドルリターン」銘柄が、この大発会以来の1週間、動意付いているのである。いずれも足元の材料に反応した内需系の小型材料株ばかりで、新年相場にまず軽く勝ち癖をつけるためにもトライしてみる価値がありそうだ。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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