丸紅、キャッシュ・フロー経営と成長投資により純利益3000億円を目指す

2020年1月13日 06:15

小

中

大

印刷

 丸紅は6日、中国・米国・ドイツを拠点にEVの開発・製造を行うBYTON社と、資本業務提携で合意したことを発表した。

【こちらも】双日、着実な成長により連続最高益更新を目指す

 BYTON社は、ドイツの自動車業界やIT業界出身者によって設立され、中国の大手自動車メーカー第一汽車集団や、中国の世界最大手EVバッテリーメーカー寧徳時代新能源科技からも出資を受け、2020年には多目的スポーツ車を中国で、翌年には米国と欧州で発売する予定である。

 丸紅は戦略的パートナーとして、モビリティ事業やEVバッテリーマネジメント事業、海外事業を中心に協業していく。

 丸紅は1858年、伊藤忠兵衛によって、近江の国で麻布の出張販売業として創業された。その後大阪船場に呉服太物商「紅忠」を開業し、〇の中に紅を入れた暖簾を作ったのが社名の由来となった。

 戦前、伊藤忠商事、呉羽紡績などと合併したが、戦後1949年に集中排除法により、伊藤忠商事、呉羽紡績などと分割されて丸紅株式会社となった。

 2019年3月期の収益は7兆4,013億円。事業別構成比は穀物、食品の食料品が53.9%、アグリ、化学品、紙パルプの素材が22.6%、エネルギー・金属が10.6%。以下、航空・船舶、自動車リース、建機、産機の輸送機が5.6%、ライフスタイル、情報、保険、金融、不動産などの生活産業が4.7%、電力・プラントが2.6%となっている。

 「タテの進化とヨコの拡張」により、多彩な事業を展開する丸紅の動きを見ていこう。

■前期(2019年3月期)実績と今期見通し

 前期収益は7兆4,013億円(対前年比1.8%減)、純利益は前年よりも196億円増で2期連続最高益更新の2,309億円(同9.3%増)であった。

 純利益増加の要因としては、持分法による投資損益の改善と、前年の米国税制改正に伴う法人所得税悪化の反動でエネルギー・金属が459億円、国内発電事業の売却益、前年度の北米自動車関連の損失反動により輸送機が110億円、持分法適用会社の子会社化に伴う評価益により生活産業が103億円、パルプの市況上昇と段ボール原紙の採算改善で素材が97億円の増益要因。

 一方で、北米穀物関連投資の減損損失と前年の米国税制改正の影響による反動で食料が454億円、シンガポール発電事業関連の投資減損損失で電力・プラントが81億円、全社調整が38億円の減益によるもの。

 今上半期(4-9月)の純利益は1,118億円(前年同期比26.4%減)となった結果の中、今期純利益は最高益更新の2,400億円(前年比3.9%増)を見込んでいる。

■中期経営戦略(2020年3月期~2022年3月期)による事業推進

 2022年3月期の純利益3,000億円(対前期比29.9%増)を目指して、次の戦略を推進する。

●1.強固な財務基盤の構築を目指してキャッシュ・フロー経営の推進

 ・基礎営業キャッシュ・フローの極大化を追求し、3年で1兆2,000億円の資金創出、9,000億円を3つの成長ホライゾンへ投資。

 ・債務返済と株主還元後のフリーキャッシュ・フローを3年で1,000億円以上創出。

●2.ビジネスモデルを重視した3つの成長ホライゾン投資により、既存事業の強化と新規領域を戦略的に厳選する事業指針の設定

 ・ホライゾン1では、新設の次世代事業開発本部を含む14営業本部で、既存事業充実のために、2,000億円の成長投資。

 ・ホライゾン2では、従来の事業領域における戦略追求のために、5,000億円を成長投資。

 ・ホライゾン3では、丸紅グループとして未踏の領域、新たなビジネスモデルへ2,000億円の成長投資。

 既存ビジネスと新しいビジネスへのチャレンジの両輪で、長期的な企業価値向上を目指す丸紅の動きを見守りたい。(記事:市浩只義・記事一覧を見る

関連キーワード丸紅伊藤忠商事

広告